映画感想「ラブストーリー」純愛で切ない母と娘の2つの恋

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「猟奇的な彼女」に引き続き、クァク・ジェヨン監督作品です。
母と娘の2つの純粋な恋物語が、交互に進んでいきます。女優の美しさ、シーン一つ一つの美しさに、心が洗われました。純愛好きにおすすめです。
「猟奇」でも本作でも、雨のシーンが多いです。韓国では「소나기(ソナギ=夕立)」という国民的小説があるようです。韓国人にとって雨+恋愛はツボなのかもしれません。

【評価】
芸術性:★★★★☆
純愛度:★★★★★
お涙 :★★★☆☆

作品情報

キャスト&スタッフ etc.

出演:
ソン・イェジン
チョ・スンウ

監督:クァク・ジェヨン
製作国:韓国
上映時間:129分
公開:2004年(日本)
原題:『The Classic』

あらすじ

演劇部の先輩のことが好きなのに、恋愛に積極的な親友から彼へのメールの代筆を頼まれてしまう女子大生・ジヘ。
自分の熱い想いを親友の名前でメールし続け、あげくの果てにはデートの引き立て役として駆り出される
・・・
そんな彼女がある日家の中で古ぼけた小さな木箱を見つける。
入っていたのは、母・ジュヒが時おり読み返しては涙していた、35年前の手紙と一冊の日記帳。
だが母が亡き父と交換していたと思っていた、その何通もの手紙には、父の親友である男性との秘められた初恋とともに、ジヘの運命を変えてしまう、ある秘密が語られていた・・・。

参考文献:DVDパッケージの裏面

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感想(ネタバレなし)

母の恋

この物語は、女子大生のジヘが、両親が学生時代にやりとりしていた手紙を家で発掘するところから始まります。その手紙には母親と父親、そして父親の親友の間で起こった、純粋で切ない初恋の物語が記されています。
息子だったら、そっとしまうでしょうか。でも娘は母親の恋愛って気になっちゃうのかな?

両親の手紙を読んで、最初は古臭くてダサいと思っていたジヘですが、読み進めていくうちにどっぷりハマっていきます。鞄の中にしまって、色んなところで読みます。

母親の恋の始まりは、35年前の叔父の田舎での出来事です。母・ジュヒはさわやかなどろんこ青年・ジュナと出会います。ジュナが「ふんころがしだよ、見る?」とジュヒに話しかけたことをきっかけに、二人は仲良くなります。しかし、ジュヒにはいいなづけとも言えるような相手がいたのです。それがジュナの親友のテスでした。

このジュヒ・ジュナ・テスの三角関係を、嫌な雰囲気をほとんど出さずに描いています。そしてこの時代は、今のように気軽にメールはできないし、デートは健全な場(フォークダンス教室など?)に限られ、男女の立場や家柄の差もあり、自由な恋愛がしにくい環境でした。そんな状況の中で、誰にも気付かれないように好意を抱き合う二人の姿は、実に純粋で、観ているこっちもどきどきして楽しくなります。ジュヒの家の前で密会するシーンは、とてもかわいらしく大好きです。本当に胸が熱くなります。。

娘の恋

一方、現代の娘・ジヘはというと、大学の先輩に好意を持っています。
しかし、ジヘの親友(積極的で自分優先)も彼を狙っていて、彼へのメールの代筆を親友に頼まれてしまいます。さらに、親友と彼とのデートの引き立て役にも抜擢されます。とにかく親友がうざいです。でもキャスティングがいいです。
(韓国ではこれを親友というのか?)

しかしジヘは自分の正直な気持ちを親友に言えず、言いなりになってしまいます。

そんなジヘにもハッピーイベントが舞い降ります。
ある土砂降りの昼、木の下で雨宿りするジヘのところに偶然先輩が登場します。すぐに後ろを向き、気付いていないふりをするジヘ。
(シャイで可愛い!)

それに気付いちゃう先輩。
(最初は気付いてませんでしたアピールも)

そして、先輩はジャケットを傘代わりにしてジヘを雨から守り、二人は図書館へと走ります。

お互いの気持ちが強くなっていくドキドキイベント、観ていてなぜか嬉しくなります。このシチュエーションやってみたい。

ジヘの親友は全く気付いていませんが、ジヘと先輩は少しづつ接近します。
そして、母・ジュヒのラブストーリーが、ジヘのラブストーリーとシンクロしていきます。

ソン・イェジンが可愛い

ソン・イェジンが、娘・ジヘと母・ジュヒの一人二役をこなしています。

親友に利用されるかわいそうでシャイなジヘ。密かな初恋を楽しむジュヒ。この二人の純粋な恋する乙女を演じ分けているのが、この映画を良質なものにしていると思います。

そして、可愛い。特に母・ジュヒを演じているときは、笑ったり泣いたりと感情の起伏が豊かで、ソン・イェジンの可愛さを堪能できます。ダンスシーンも笑えて面白いです。アドリブ?

さらに彼女の美しさに加えて、蛍、夕立、放課後の黄色がかった空気感などの映像も、本当に美しいです。検便シーンやおならで演奏する無駄シーンもありますが。ソン・イェジンではないです。クラシックや癒し系BGMなどをふんだんに取り入れ、音楽にも美しさを追求しています。

退屈しない人生のために

母と娘の2つの恋の物語を、映像・音楽・ソンイェジンの3つの美しさで作り上げた純愛映画です。
現代の娘の話よりも母の初恋の方に重点が置かれている感じがします。たまに「これ必要?」みたいなシーンがあるかな?と思いましたが、とてもピュアな気持ちになれたので観て良かったです。

電話や手紙しかなかった時代の恋愛には興味が湧きますね。メールと違い手紙でゆっくりとお互いを知っていく過程や、一回一回のデートの貴重さが、お互いの想いをより強くするのかな、と思います。

一昔前では、いくら好きだという気持ちが強くても、色々なしがらみで成就できない恋があるんだなと思うと、現代の環境は(国や地域によるけども)かなり恵まれていますね。

今から手紙書きます!

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