映画感想「レッド・ファミリー」家族らしさ、人間らしさとは?

映画感想「レッド・ファミリー」家族らしさ、人間らしさとは?

「仲睦まじい美しい家族が実は北朝鮮のスパイでした」というコメディ感あふれる設定に惹かれて、レンタルして鑑賞しました。

所々笑えるシーンはあったけれども、ストーリー展開はシリアス一直線でした。

家族とは何なのでしょうか?と考えさせられる映画。

【評価】
家族愛 :★★★★★
忠誠心 :★★★★☆
コメディ:★☆☆☆☆

作品情報

キャスト&スタッフ etc.

出演:
キム・ユミ
チョン・ウ
ソン・ビョンホ
パク・ソヨン

監督:イ・ジュヒョン
脚本:キム・ギドク
製作国:韓国
上映時間:100分
公開:2014年(日本)
原題:『붉은 가족(Red Family)

あらすじ

理想の家族
その正体は、他人同士の北朝鮮スパイ

仲睦まじい家族のフリをして任務を遂行する4人の北朝鮮スパイたち。彼らはケンカの絶えない隣の韓国人家族を「資本主義の限界」とバカにしていたが、偽りのない感情をぶつけ合う家族の姿に次第に心を動かされていく。やがて任務に、いや、人生そのものに疑問を感じ始めたスパイたち。そんな折、リーダーである妻役のベクは、夫役のキムの妻が脱北失敗したと聞かされる。ベクは独断で手柄を立てキムたちを助けようとするが、逆に大失態を犯してしまう。母国に残された各々の家族の命と引き換えに4人に与えられたミッション、それは「隣の家族の暗殺」だった―。全てを救うため、彼らが命を賭して打った切ない<家族芝居>とは!?

引用:http://redfamily.gaga.ne.jp/

予告編

スポンサーリンク

感想

タイトルとか設定とか読むと、コメディかな?と思いますよね。

スパイと家族という組み合わせだから「スパイだとバレないようにこそこそ動く家族と、それを怪しむお隣さんをの日常をコメディタッチで。」のような映画を期待しちゃうわけです。

実際は違いました。

隣の国で本当に起こってるであろう工作員の日常と、彼らの悲しい事情を垣間見た気分です。

スパイ一家と腐敗一家のコントラストが良い!

家の外では美人な妻、優しい夫、可愛い娘、みんなに敬われるお祖父さん。

そんな理想的な仲睦まじい家族が実は北朝鮮のスパイで、偽の家族として韓国で活動しています。

そして家の中に入ると豹変します。特に妻が。妻がこのチームのリーダーで一番怖いです。

たとえ成功していたとしても、もし任務を完璧に遂行できていなければ、恐怖の反省会が行われます。

妻「ミョンシク同士(祖父)!朝鮮にいる家族を苦しめたいのかっ?」
(腹を殴りながら)

隣の家に住む韓国人家族の夫婦喧嘩の騒音が聞こえてくると、

妻「資本主義の腐敗一家め。」

とお怒りに。(スパイ妻の声も隣に丸聞こえなのでは?)

ただ、隣の韓国人夫婦は確かに腐敗しています。ごもっともです。

特に妻は、自分の家のごみ袋をスパイ一家のところに投棄したり、サラ金に頼るほど浪費したりと、腐敗っぷりを全力で発揮します。

こういうスパイ一家と腐敗一家の対比を、序盤はコメディとして楽しめますよ。

家族は一緒にいるものでしょ?

序盤はフルスロットルな恐妻でしたが、任務をこなしていくうちに疑問を抱き始めます。

隣の家族は自分の感情を爆発させるかのように自由に表現しているのに対し、スパイ一家は感情を表に出せません。任務遂行の障害になるからです。

スパイ一家はそれぞれ本当の家族を朝鮮に残したまま離れ離れになっていて、任務の失敗は本当の家族の命に関わります。

朝鮮に残された本当の家族と、常に行動を共にする感情を出せないスパイ一家としての家族。二つの不自由な家族のかたちはもはや拷問レベルです。

「一緒にいるのが家族じゃないの?」という疑問が北の家族を破滅へと向かわせ、序盤のコメディ感とは真逆のシリアスムードを作り出します。

中盤以降はハンカチの準備をしておきましょう。

退屈しない人生のために

家族を人質にされる無力感、感情を押し殺して人間らしさを失った生活。

たとえ偽装家族でも、家族らしさを求めたくなってしまうほど苛酷な環境。

私は耐えられないですね。

映画美術館カテゴリの最新記事