映画感想「悲しみに、こんにちは」ラストで母の死を受け入れられたかな?

映画感想「悲しみに、こんにちは」ラストで母の死を受け入れられたかな?

夏を感じる映画を観ようと公開初日に観てきました!

夏のスペインの田舎で過ごす、母を亡くした小さな娘の愛情を求める切ないストーリーです。

最初から最後まで本物を見ているような子供たちの演技に驚きです!

【評価】
子供の演技力:★★★★★
死生観   :★★★★★
話の展開  :★★★☆☆

作品情報

キャスト&スタッフ etc.

出演:
ライア・アルティガス(フリダ)
パウラ・ロブレス(アナ)

監督・脚本:カルラ・シモン
製作国:スペイン
上映時間:100分
公開:2018年(日本)
原題:『SUMMER 1993』

あらすじ

フリダは部屋の片隅で、荷物がダンボールに詰められるのを静かに見つめていた。その姿は、まるで母親(ネウス)が最後に残していった置物のようだ。両親を“ある病気”で亡くし一人になった彼女は、バルセロナの祖父母の元を離れ、カタルーニャの田舎に住む若い叔父家族と一緒に暮らすことになる。母親の入院中、祖母たちに甘やかされて育てられていた都会っ子のフリダ。一方、田舎で自給自足の生活を送っている叔父と叔母、そして幼いいとこのアナ。彼らは、家族の一員としてフリダを温かく迎え入れるが、本当の家族のように馴染むのには互いに時間がかかり・・・。
引用:http://kana-shimi.com/

予告編

スポンサーリンク

感想(ネタバレなし)

子供の演技が自然すぎる!

ストーリーはゆったりと大きな展開もなく進んでいきます。中盤までちょっとだけ眠くなりました。

母を亡くした娘フリダは叔母の家族で1993年の夏を共に過ごします。

そこで暮らす叔母の娘アナと遊んでいるシーンがとても自然です。

公開初日のある上映回では、Skypeによる監督のインタビューが行われていました。

監督は子供のキャスティング、演技についてはかなり時間とエネルギーを使ったようです。

フリダ役とアナ役には、本当の姉妹に思えるような二人を何千人もの中から探したそうです。

また、実際に二人で生活させたりと、小さな子供でも自然な演技ができるように工夫したとも言っています。

突然大切な人がいなくなった監督の実体験

本作は実際に母を病気で失った監督本人の実体験がベースになっています。

私は小学3年生くらいまで毎年家族で祖父母と叔父叔母の家に遊びに行ったりしましたが、たとえ血が繋がっているとしても「他人」という意識がどうしてもありましたね。

私が人見知りな性格なせいかもしれませんが、叔父叔母の家族に馴染むのが難しいという気持ちには、とても共感できました。

おじいちゃんっ子、おばあちゃんっ子な友達も小学生時代に周りにいましたが、そういう人達は親戚と暮らすことに抵抗は無いのかな?

感想(ネタバレあり)

死生観を強烈に描写してきます(やや注意)

母の死をスタートに、この映画では生と死についての描写が所々に映し出されます。

しかも、かなり強烈に。

血が苦手な人は強烈なシーンに驚いてしまうと思います。

叔母が出血するシーンで、フリダは叔母に対して何かを感じているような表情を見せます。

また死んだ食用の羊?の血を抜く作業もまた、フリダに生と死について訴えているように見えます。

私が「死」を初めて実感したのは小学3年生のときに亡くなった祖父の死です。

年に1回しか会っていなかったのですが、もう2度と会えなくなるということを初めて理解した年でした。

祖父の死を乗り越えるということを私は特にする必要は無かったのですが、母や祖母は乗り越えることに苦労しているのを見て感じましたから。

大切な人がいなくなるという理不尽な出来事を、フリダのような小さい子がすんなり受け入れられるわけもなく、祖母に反抗したり、家出を企てたりと行動ににじみ出てきます。

亡くなった母親の気持ちで映画を観ると

最後のシーンは泣けると思います。

フリダは最後の最後まで泣きません。(覚えてる限りでは)

しかし、ずっと母の死を受け入れられなかったフリダですが、最後にアナや叔父叔母と本当の家族のようにじゃれ合います。

そして本当の最後に、フリダは突然泣くのです。

天国から娘を見守る母の目線でこの映画を観ると、本当にこのシーンは切ない。

今まで何とか泣かずにがんばってこれたのに、最後に泣いてしまう。

そのときフリダのそばにいれない亡き母の気持ちを考えると、無力感をおぼえます。

慰めたいけど何もできない。ただフリダが死を受け入れて強くなってくれるのを祈るのみです。

フリダは新しい家族の前でどうにもできない悲しみ発散させ、成長しようとしています。

邦題の「悲しみに、こんにちは」はそういう意味があるのでしょうか?

スポンサーリンク

退屈しない人生のために

夏に入り、子供向けの映画や爽快なエンターテインメント映画がまもなく公開開始です。

ミッションインポッシブルが私は楽しみです。

その一方で、フリダのように大切な人を無くした状態で夏を過ごす人もいるはずです。私の祖父も8月でした。

特に最近の災害のニュースは心が痛みます。私は何もできませんが、ゆっくりと乗り越えてほしいです。

映画美術館カテゴリの最新記事