映画感想「ブレイン・ゲーム」開始10分で鳥肌!良質なサスペンスでありテーマは極めて深い。

映画感想「ブレイン・ゲーム」開始10分で鳥肌!良質なサスペンスでありテーマは極めて深い。

濃厚な頭脳戦を感じさせる邦題、アンソニー・ホプキンスが主演、ということで期待して観に行きました!

予想してた頭脳戦とはちょっと乖離があったけど、開始10分で鳥肌がたったり、後半では重厚なテーマを投げかけてきたりと、邦題以上の中身のあるサスペンススリラー映画でした!

それにしてもアンソニー・ホプキンスって本当に脳みそや超能力が似合う役者ですね。

【評価】
頭脳戦  :★★★☆☆
鳥肌   :★★★★★
究極の愛 :★★★★☆

作品情報

キャスト&スタッフ etc.

出演:
アンソニー・ホプキンス(超能力を持ったジョン博士)
コリン・ファレル(超能力殺人鬼)
ジェフリー・ディーン・モーガン(FBI捜査官ジョー:ジョンは元相棒)
アビー・コーニッシュ(FBI捜査官キャサリン:ジョーの現相棒)

監督:アフォンソ・ポイアルチ
脚本:ショーン・ベイリー/テッド・グリフィン
製作国:アメリカ
上映時間:101分
公開:2015年(アメリカ)
原題:「SOLACE」

あらすじ

FBI特別捜査官のジョーメリウェザージェフリーディーンモーガンと若き相棒捜査官アビーコーニッシュは、連続殺人事件の捜査に行き詰まり、元同僚のアナリスト兼医師ジョンクランシー博士アンソニーホプキンスに助けを求める。博士は隠遁生活を送っていたが事件に特別の感情を抱き、容疑者のチャールズアンブローズコリンファレルを追跡していく。だが並外れた予知能力の持ち主である博士は、この殺人犯が自身以上の能力をもっていることに気付く…。

引用:オフィシャルサイト

予告編

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感想(ネタバレなし)

コリン・ファレルは影薄め

アンソニー・ホプキンスが本当にぴったりな役柄を演じています。

超能力を持ち医学博士なんて過去作品の2役を合体したようなものですからね。

 

一方、超能力を持つ連続殺人鬼のコリン・ファレルはなかなか登場してこない上に、ちょっとキャラが弱い。

「犯人」っていう凶悪さのような雰囲気が欠けている気がします。

キャラ設定はものすごく奥深いのですが。

 

ジョー博士と同行するFBI捜査官のジェフリー・ディーン・モーガンは、先日レンタルして観た「ランペイジ 巨獣大乱闘」に癖のあるキャラで出演していますね。

(日本語吹替版だと若本規夫さんがCVなのでさらにキャラにエッジ効いてます。)

本作では大人の色気が出ているジョージ・クルーニーに近い雰囲気ですね。映画「ピースメイカー」を思い出します。

ジェフリー・ディーン・モーガンの相棒捜査官のアビー・コーニッシュは初めて見ました。

彼女、かっこいいですね!最近の作品だと「ジオストーム」に出演しているようです。

鳥肌が立つほどのシーンとテーマ

前半ではスリルフルなシーンで鳥肌が、後半では本作の真のテーマに対して鳥肌が立ちました。

どちらもジョー博士のダークな雰囲気にやられました!

 

前半は、ジョー博士とFBI捜査官2人による超能力殺人鬼が残した置手紙を頼りに推理していきます。

ジョー博士は物や人に触れることで、関係する人の過去と未来を垣間見ることができます。

キャサリン捜査官は心理分析の側面から犯行手法を分析し、犯人を追いかけます。

ジョン捜査官は家族思いの頼りになるナイスガイです。

 

捜査を進めていくうちにジョー博士は、良くない未来を見るようになってしまい、犯人が自分以上の超能力者でさることに気付いてしまいます。

正直言うと、「主人公を上回る能力を持った犯人」と思わせる演出がちょっと不足していた気がします。

「超能力で未来が見えます!」と言うと私たちにとっては非現実的なんですが、本作では特に主人公にとっては当たり前のことなので、犯人が超能力者だと察したときのジョー博士の反応が薄い!(気がする)

 

あと、「ブレイン・ゲーム」という邦題は映画前半部分を表現するのには丁度いいかもしれませんが、後半は原題の「SOLACE(慰め)」がぴったりだと感じましたね。

そういうテーマなんです。深いです。

感想(ネタバレあり)

ここから先はがっつりネタバレを含む感想を書いていきます。

未鑑賞の人は予告編を観て、新宿武蔵野館のサイトで予約をしましょう!

新宿武蔵野館公式サイト

 

犯人の殺人動機が示す重厚な「死」のテーマ

前半の捜査パートで判明しますが、犯人に殺された人たちに共通しているは「重病にかかっている、または将来重病にかかる」という点です。

犯人の言い分は「将来、重病で苦しむことは明白。苦しむ前に慈悲深い死を与えた。」です。

つまり人を殺す権利の無い人が、超能力を使って重病人、重病予備軍の人を安楽死させているというわけですね。

サスペンス映画を観に来たつもりが、突如「安楽死」について考えさせられるとは思いませんでしたね。

 

犯人は自身の行為を「究極の愛」と表現しています。

小脳に腫瘍を持った子供が犯人に殺されますが、腫瘍を持っていたと知ったときの子供の両親はどう感じたのでしょう。

犯人いわく「私に感謝するだろう。」です。

 

もし私の恋人や将来の子供が重病にかかってしまう運命だったとしたら、それを理由にあかの他人に殺されて我慢できるでしょうか。

私はできません。当然ですよね。本人の意思、完全に無視ですからね。

自分たちで考え抜いて、耐えていくことを選びますよね。

もし超能力で恋人との未来を知ってしまったら?

ジョー博士の娘は白血病で亡くなっています。それ以降ジョー博士はジョン捜査官の相棒を引退し、家にひきこもります。

そもそもジョーはいつから超能力を持ち始めたかというと、娘が幼いころ「娘の背後に黒いゆらめくカーテンのような影が見えた時」だと彼は言ってますね。劇中で正確な日付がわかりますね。

それからちょうど20年後に娘は白血病を患います。

つまり結婚して娘を生む前は、未来のことは分からなかったんです。

もし結婚する前に未来が分かったら、ジョー博士はどうしたでしょう。

 

おそらく、すべての人間関係を断って家にひきこもるでしょうね。映画序盤の彼のように。たぶん。

見たくないものを見てしまったら、頭から離れなくなりますよね。娘が白血病になる未来なんて、残酷すぎます。

 

一方、詳細は明らかにされていませんが、同じ超能力を持った犯人は「究極の愛」のもと、重病人、予備軍の人たちを将来起こる苦しみから解放するために殺人鬼になってしまいます。

 

果たして自分にもし同じ超能力があったとしたら、殺人鬼にはならないけど、平然と生活していけるかはわかりませんね。

恋人や家族の将来の苦しみを知ってしまったら、逃げたくなるジョー博士の気持ちもなんとなくわかります。

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退屈しない人生のために

なかなか重いテーマを背負った映画でした。

娯楽映画として観る場合、コリン・ファレルとアンソニー・ホプキンスがお互い逆の役を演じていた場合も観てみたいですね!

完全にレクター博士の復活ですね。

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