映画感想「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」自分の生きた証を残せるか

映画感想「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」自分の生きた証を残せるか

本作、日本人男性が好みそうなアリシア・ヴィキャンデルという北欧系女優が主演ですが、私の場合もう一人の主演であるクリストフ・ヴァルツ観たさにチョイスしました。

もちろん可愛いアリシアも観れるので一石二鳥な映画です。笑

ストーリーのジャンルは不倫映画なのですが、意外にもドロドロしていなく後味が良かったのが印象的でした。観て良かったです!

ただし、大人向けです。

【評価】
非日常:★★★★☆
人生観:★★★★★
エロス:★★★★★

作品情報

キャスト&スタッフ etc.

出演:
アリシア・ヴィキャンデル(孤児として育った少女ソフィア)
クリストフ・ヴァルツ(富豪商人のおじさんコルネリス)
デイン・デハーン(将来有望な画家ヤン・ファン・ロース)

監督:ジャスティン・チャドウィック
原作・脚本:デボラ・モガー
製作国:アメリカ・イギリス
上映時間:107分
公開:2018年(日本)
原題:「Tulip Fever」

あらすじ

17世紀のオランダ・アムステルダム。遥か東の国から来た珍しく美しい花―チューリップ―を、人々は我を忘れて手に入れようとした。民衆は大枚はたいてチューリップへの投機に熱中し、球根の値段は上がり続けた。

孤児として聖ウルスラ修道院で育った美しい少女、ソフィア。彼女は成人し、富豪で有力者である商人、コルネリス・サンツフォールトに嫁ぐこととなる。しかしながら、いつまでたっても子どもを授からないソフィアとの生活にコルネリスは焦りを感じる。

日々の気晴らしとして、 コルネリスは絵画商人マテウスに頼み、 ソフィアとの肖像画を描いてもらうことを思いつく。そのマテウスが紹介したのが、将来を嘱望されている若手画家、ヤン・ファン・ロースであった。階段から降りてくるソフィアの姿を見た瞬間、恋に落ちたヤン。彼の横柄な態度に最初は嫌悪感を抱いていたソフィアだったが、絵を通じて向き合う時間の中で、徐々に彼に惹かれるようになっていく。

引用:オフィシャルサイト

予告編

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感想(ネタバレなし)

ドロドロしてない不倫映画

不倫がテーマの映画であるということだけ予習して観たんですが、意外にも憎しみを感じない映画でした。

というのも、主な登場人物であるコルネリス(富豪商人)、ソフィア(彼の若妻)、ヤン(若い画家)、マリア(ソフィアの女中)がみんな悪い人ではないんです。

それに時代背景は、チューリップの球根が投機対象となっている中世のオランダ。

ソフィアの住むお屋敷、チューリップのオークション会場、街並みが美しい。

今風の投機対象でいうと仮想通貨などになりますが、美さも何もありません。笑

コルネリスおじさんと結婚したソフィアは、二人の肖像画を描いてくれることになった若い画家と恋に落ちます。

これも実は自然なことなのでは?と思います。不謹慎かもしれないけど。

自分の父親のような年齢のひとより、同世代のイケメンが目の前に現れれば、心揺れますよ。

そんな理由で、私はソフィアと画家の不倫が受け入れられたような気がします。

ドロドロ感はゼロです。

チューリップにお熱になる人々、恋に燃えるソフィアと画家。

美しいものに惹かれ、破滅へ向かう人間の様子を対比しながら表現しています。

個人的に最も熱いシーンは、画家が自宅で絵を描きながらソフィアのことを考え、静かに「恋をした!」と叫び、彼女の家にダッシュしたところです。

正直で清々しかったですね。

でも、エロいです。

アリシア・ヴィキャンデルという可愛い系の北欧女優が主演で、画家役は「アメイジングスパイダーマン」のハリー・オズボーンを演じたデイン・デハーンです。

アリシアは、日本人男性に人気がありそうな顔してますよね。

そしてデインの若干病んでる顔つきが、一部の日本人女性に人気そうです。笑

この2人の不倫シーンが、かなりエロいです。

コルネリスおじさんとの妊活シーンも、エロいです。

ドロドロしてないけど、エロいんです。

ソフィアとコルネリスの肖像を描くとき、ソフィアは青いドレスを着ています。

劇中、画家は「聖母マリアの服は青く描かれるんだ。青い絵の具は最も高価だからだ。」とトリビアを言います。

中世ヨーロッパで描かれた聖母マリアは(たぶん)どれも青い服を着ており、「青い服」が聖母マリアのトレードマークになっています。

それは、聖母マリアの顔は誰も知らないので、服の色で判別するしかないからです。(たぶん)

そんな聖母マリアと同じ青いドレスのソフィアが、コルネリスと画家の2人とエロいことをします。たくさん。

無駄にエロくないですか?と言いたい。笑

ソフィアのお絵描き

感想(ネタバレあり)

ここからは、ネタバレの内容を多少含んでいます。

未鑑賞の人は気を付けてください!

クリストフ・ヴァルツが鋼のメンタル

残念ながら不倫されてしまうコルネリスおじさん。

映画観ててこんなに可哀そうなおじさんは久しぶりです。

ソフィアが画家と駆け落ち作戦を計画していたこと、そもそも妊娠していなかったことを知ってしまったコルネリスおじさんは、驚くべき行動に出ます。(ソフィアは、マリアの妊娠を自分の妊娠に捏造した。)

普段のクリストフ・ヴァルツの役柄なら、凶悪な復讐劇になるところです。

チューリップ・フィーバーPart2とか作れそうな勢いです。

「イングロリアスバスターズ」を観たことある人ならわかりますよね?

しかし、彼は真実を知ったとき、女中であるマリアとその夫、そして彼らの本当の子供に財産を譲渡します。

愛のある手紙と共に。

これは予想外の展開でした。

こんな寛大な心を持った人がこの世にいるでしょうか?

マハトマ・ガンディーレベルです。

不倫された時点で、日本(だけに限らないが)なら慰謝料、養育費、裁判、血みどろの争いが決定です。

一体なぜ彼はこんなにも寛容な鋼の心をお持ちなのか。

劇中では、彼が過去に子供と妻を亡くしたこと。その時の自分の気持ちが原因であるという話がでてきます。

原作ではどうか知りませんが、彼は本当に自分の気持ちにがっかりしたんでしょうね。

だから、ソフィアと画家の熱い思い、母親になる女中の気持ちを優先させたのでしょう。

めずらしく良いおじさん役をしたクリストフ・ヴァルツに、脱帽です。

なお、「アリータ・バトルエンジェル」でも良いおじさん役で登場します。

アリータ・バトルエンジェル:公式サイト

自分の生きた証を残せるか?

本作の表向きのテーマは「美に惹かれ破滅する人々のその後」といった感じです。

が、私なりに感じた真のテーマは「自分が生きた証をどのような形で残すか?」ということです。

歴史の教科書に刻まれるようなことに限らないです。

自分がこの世界に生きた証拠を、何かしらの形で残したいのが人間だと思います。

そしてそれを残すことが、悔いの無い人生を送る目標にもなります。

一つは子孫を残すこと。

不運にも健康問題でそれが叶わぬ人もいます。

でも子孫を残す以外にも、人の数だけ生きた証拠の形はあるはずです。

コルネリスおじさんも最終的に幸せになってなによりです。(何をしたかがわかりづらかった)

私の場合は、子供を作ることもそうですし、自分の塾からイケてる人材を輩出することも生きた証になりえます。

吉田松陰的なポジションですね。笑

この映画を観終わったころに、自分が本当は何をするために生きているのかを見つめ直したくなります。

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退屈しない人生のために

クリストフ・ヴァルツがお目当てだった私にとっては、この映画は「生きた証を残すこと」、それが今生きている意味なんだなと思わせてくれるようでしたね。

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