【教員になった元生徒 第1話】嫌われ続けた3年間

【教員になった元生徒 第1話】嫌われ続けた3年間

こんばんは、学生時代に塾講師のアルバイトをしていたKeiCampbellです。

今回紹介するのは私がまだ学生だったころのお話。

5年ほど前に小学校の教員になった、私の担当していた元生徒とのエピソード。

担当していたのは今から10年も昔ですが、なぜか最近色々な記憶が蘇りまくりです。

晩酌のせいかな。

この先生は授業準備をしないんだ・・・

その生徒との出会いは最悪と言っていい。

 

大手進学塾の個別指導部門のアルバイト講師だった私は、教室長に授業の代講をお願いされた。

たしか12月か1月の寒い雨の日だ。

 

普段は大学の講義を受けた後、急いで塾に向かっても到着は18時ごろ。そして18:30からの自分の授業をこなす。

 

しかしその日は、17時からの他の生徒を担当している講師が体調不良で欠席、代わりに私が普段より1時間早く塾に行かなければならなくなった。

 

もちろん大学の講義も重要だが、17時から授業のできる講師は非常に少なく、私が行かざるを得なかった。

(出席も取ったし)講義は途中で抜け出し、授業開始2分前になんとか塾に到着。

 

授業開始10分前に来ていたその生徒は、不機嫌そうな顔でずぶ濡れの私を見ている。というか睨んでいる。

中学2年生の女の子、知美ちゃんだ。(仮名)

 

知美ちゃんは塾に通う中2生の中でトップクラスの学力だった。

その知美ちゃんなら、私が授業2分前に到着したことが講師として如何にだらしないかは理解できるだろう。

さらに私は今日、知美ちゃんに何を授業すればいいのか全く知らされていない。

 

授業が始まり私はさっそく前回の授業で何を習ったかを尋ねた。

私「先週はテキストのどこまで進んだ??平行四辺形の証明かな??」

幸運にも同じ学年の生徒を一人担当していたおかげで、大体どこらへんを授業しているかは見当が付いた。

 

知美ちゃん「ぇ?知らないんですか?・・・ここです。」

 

私「ぁ、ありがとう。。一次関数の応用問題やってたんだね!」

 

個人的に、授業準備できていない講師は生徒からすると本当にみっともなく見える。

何をしていいかわかってない人を見ると「なんか残念だなぁ」と思うのは当然だ。

まさか平行四辺形が全部終わってて、一次関数の復習とはね。

 

一応、授業の科目が数学だったということもあり(たかが中学数学だが・・)、知美ちゃんの授業は無事終了した。

もう二度と担当したくないと思ったけど、知美ちゃんも二度と担当して欲しいとは思ってないだろう。私の100倍くらい。

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嫌いな先生があたしの担当に・・・

初めての知美ちゃんの授業からおよそ1年が経った。

知美ちゃんの学年はちょうど高校受験が終わったところで、私の担当していた生徒も、知美ちゃんも無事第一志望の高校に合格した。

 

大抵の生徒は高校受験が終われば、いったん塾を卒業する。

大学受験を目指すなら個別指導よりも、ライバルがたくさん通う大手予備校に行った方が良い。

 

特に知美ちゃんは進学校に通うわけだし、なおさら予備校に行くべきだと思った。

が、知美ちゃんは高校生になってもこの個別指導に残ると言ってきた。

 

「君はここにいてはいけない。なぜなら・・」

 

実は当時、その塾で高校数学を担当できる講師は私しかいなく、塾に残る生徒は自動的に私が担当することになっていた。

 

だから、もし私が担当になると知ればきっと塾には残らない。

教室長にはそのことを伝え、知美ちゃんの意見を聞いてほしいとお願いした。

 

ところが、教室長は生徒数が減るのは会社的に望ましくないと考え、知美ちゃんに真実を伝えずにいた。

今思うと私のわがままで塾の業績を下げるのは、確かに微妙だ。

 

そして新学期が始まり、知美ちゃんの数学は私が担当することになった。

 

私「高校からは私が数学を担当します!よろしくね!!」

私が知美ちゃんに苦手意識を持っていると悟られるのはマズいので、元気よく挨拶した。

 

知美ちゃん「よろしくお願いします。」

隣に座っている知美ちゃんは、体は前を向き、目だけがこちらを向いている。

たぶんまだ嫌われている。

大学に受かったら・・・

知美ちゃんは高校1年生、私は大学3年生。

私が通っていた大学(理工学部)では順調にいけば、3年生での必修科目は3科目しかなく、意外と順調にお勉強していた私は、3年生のときはかなり余裕があった。

 

そのおかげで別の大学に彼女がいたし、理系男子の割にはかなりリア充な生活を送っていた。

右手の薬指には彼女とのペアリングもしていた。(今のカップルはどうなのかな?)

 

授業中にも身に付けていたので、知美ちゃんからも指摘された。

知美ちゃん「彼女さんいるんですね。(興味ないけど)」

 

知美ちゃん史上、最も冷めた口調だった。

「あたしの授業準備そっちのけで、彼女とデートかよ」と言わんばかりの顔。

 

そんなタイミングで「知美ちゃん、彼氏いるのー??」とか聞いて、彼氏いなかったときのリスクがハイレベルすぎたので、私は授業を進めた。

 

リア充していましたが、担当生徒になったからには授業準備は怠りません。

知美ちゃんのレベルにあった問題を用意したり、もらった質問にはとても丁寧に回答した。(想像をはるかに上回るレベルで)

 

彼女の素材の良さもあって、知美ちゃんの成績は高校で上位をキープし続けた。

 

 

高校3年生の春になり、知美ちゃんとは志望校の話題が増えた。

生徒には学歴や身分(学生であること)を明かしてはいけないのだが、求人情報誌にも載っているとおり、塾講師が学生のアルバイトであることはよく知られている。

だから私はこのタイミングで知美ちゃんに身分を伝えた。

 

私は卒業論文が無事受理され、大学院に進学することを知美ちゃんに伝えた。

私「4月から大学院生になるんだ。宇宙物理学の研究が本格的に始まるよ。」

知美ちゃん「へぇ、そうなんですか。塾講師もやって大変ですね。」

 

初めて会話らしい会話をした。身分を明かしたからかなぁ。

 

私「知美ちゃんは、行きたい大学は決まった?」

知美ちゃん「○○大学の教育学部に行きたいです。学校の成績も悪くないので指定校推薦で行けたらラッキーですね。」

 

秋になり、狙っていた指定校推薦の枠をゲットできた知美ちゃんは、高校3年生の11月に塾を卒業することが決まった。

基本的に指定校推薦は、学校内の競争に勝てれば合格したようなものである。(一部を除く)

 

最後の授業の日、一応嫌われていたとは思うけど、知美ちゃんに記念写真撮影を提案した。

私「約3年間ありがとう、記念に1枚写真撮ろうか!嫌なら大丈夫だから!笑」

知美ちゃん「いいですよ。」

 

正直ずるいタイミングなので断れないだろう。笑

 

写真撮影の後、知美ちゃんをお見送りしに塾の外へ。

 

知美ちゃん「先生、今までありがとうございました!」

 

私「いや、こちらこそありがとう!面接がんばって!」

 

知美ちゃん「はい!がんばります!」

 

知美ちゃん「もし合格したら・・・」

 

私「(焼肉か?)」

 

知美ちゃん「あたしと付き合ってください!!」

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退屈しない人生のために

人と人との関わりにおいて、いつ何が起こるかまったく分からない。

間違いなく嫌われていたはずだけど、3年もあれば挽回するには十分すぎるかもしれない。

 

好きでいてくれたのなら、もう少し明るく接してほしかったなぁ。

 

つづく。

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