【教員になった元生徒 第2話】先生、次はいつ会えますか?

【教員になった元生徒 第2話】先生、次はいつ会えますか?

こんばんは、学生時代に塾講師のアルバイトをしていたKeiCampbellです。

高校の3年間担当生徒だった知美ちゃんは、最後の塾の帰りに純粋無垢な言葉を残していった。

しばらく嫌われていたのは確かで、予想外のさらに外の告白に私はうまい返しが見つからないほど動揺していた。

次に話すのはきっと、彼女が大学に合格したときだ。自分なりの答えを用意しておかないと。

あたしと付き合ってください!

知美ちゃん「大学に合格したら、あたしと付き合ってください!」

 

知美ちゃんの第一志望は東京の有名な私立大学の教育学部。

指定校推薦の試験と面接が、塾を卒業してから1か月後に控えている。

 

合格発表はさらに1か月後だ。

 

最後の塾の日の帰り際、突然の告白に良い回答が見つからない。

今までそんなフラグは立ってなかったし、あまりにも突然すぎる。

 

3年も担当していて、私はこの生徒の何を見ていたのだろうと思った。

 

実は生徒に告白されたのは、知美ちゃんが初めてではない。

 

ギャル系の女子高生や、部活が命な体育会系の子もいた。

いずれも担当していた生徒だったが、私は「彼女いるし!高校で探しなよ!笑」と冗談交えて回避することができていた。

 

しかし知美ちゃんのタイミングは実に絶妙だった。

 

最後の塾の日だから、もし私が断っても後腐れが無い。

知美ちゃんの生徒としての気配りだ。

 

その上、以前知美ちゃんに私が見せていたペアリングを、私は外していた。

知美ちゃんが高校3年生になったときに、私は彼女と別れていたのだ。

 

気配り上手な知美ちゃんのことだから、おそらくペアリングが無くなっていたことに気付いていただろう。

さらに言えば、別れた直後にも知美ちゃんの授業をしていたのだから、私のテンションが10年に一度の暴落を起こしていたことにも気付いていたはずだ。

 

話が長くなったが、私が知美ちゃんの告白に対してどう回答したか。

 

私「大学に合格したら、一度話をしよう!逃げも隠れもしない!(笑)」

 

私は笑ってごまかすのが大好きだ。

スポンサーリンク

先生、次はいつ会えますか?

知美ちゃんの最後の授業からちょうど1週間。

私はいつも通り塾に行く。

 

3年間見てきた生徒がいなくなると塾は静かになるものだ。

告白イベントの後は、不思議と塾にいるときの気持ちが以前と違う。

同じ日常ではない感じだ。

 

その日の担当生徒は、知美ちゃんの一つ下の学年の生徒が4人ほど。

 

実は知美ちゃんも含め担当生徒には、いつでも勉強の質問ができるよう携帯のメアドを教えていた。

ところで女子生徒はちゃんと勉強ネタでメールしてくれるが、男子はアホな画像しか送ってこない。

精神年齢に男女で差があるのは間違いない。

 

4人分の授業が終わり授業日誌を書いていた時、携帯の着信が鳴った。

 

当時はiPhone 4sが発売される半年前くらいで、私はガラケーを使っていた。

ガラケーは相手によって着信したときのランプの色を変えることができる。(少なくとも私の機種は)

 

知美ちゃんからのメールは生徒用の「青」に設定していたが、気分で知美ちゃんだけ赤に変えていた。

 

今光ったのは赤で、携帯を開く前に知美ちゃんからのメールだと分かる。

 

知美ちゃん「授業お疲れさまでした!先生、次はいつ会えますか??」

 

いつもなら今日会っていたのだが、次に会う日のことは考えていなかった。

そもそもどこで会えるのかもわからない。

私「たまに塾に来ても大丈夫だよ!教室長もOKだって!」

 

教室長からは、合格が分かった時や、進路の話がしたいときは塾に来て良いと許可をもらっていた。

 

知美ちゃん「塾じゃなきゃダメですか?危ないですか?」

着きました!先生はどこですか?

知美ちゃんと次に会うのは、塾の外。

平日の学校帰りに知美ちゃん家の最寄り駅で。

 

夕方5時前、知美ちゃんからメールがくる。

知美ちゃん「着きました!先生はどこですか??」

 

 

いつものパープルのリュック。

私が指定したベンチに彼女は座っている。

 

私「9時の方向を見上げて。」

 

知美ちゃん「えー、降りてきてくださいよ!」

 

私「ここは危険だから移動しよう!」

 

知美ちゃん「一緒にチャリ取りに行くんで、降りてきてください!」

 

 

塾の他の生徒に見られるとかなりマズいのですが、人混みの中を2人で突き抜けチャリ置き場へ。

 

塾の関係者に見られたら、知美ちゃんの両親に遭遇したら、と色んな状況に備えて言い訳を用意しながら知美ちゃんと歩いたときの緊張感。

ある意味、最高の時間だったかもしれない。

 

知美ちゃん「先生、今日話をしてもいいですか?」

 

スポンサーリンク

退屈しない人生のために

この日に会うと約束したときから、「話」をすることは明らかだった。

「合格したら・・・」は一体どこへ行ったのか。

容赦ないスピード感にとまどう私。

 

第3話につづく。

副業塾講師カテゴリの最新記事