【教員になった元生徒 第3話】お母さんに言っちゃった

【教員になった元生徒 第3話】お母さんに言っちゃった

こんばんは、学生時代に塾講師のアルバイトをしていたKeiCampbellです。

知美ちゃんが塾を卒業して1週間。

彼女からのメールで次に会う日を決めた私たち。

学校帰りに待ち合わせをし、スパイ映画並みの緊張感の中、2人で駅前のモールを歩く。

彼女のチャリを回収し、静かに話ができる場所を求めて駅前から離れ、覚悟を決める私。

話をする必要はなかった

塾を卒業して約2週間。

2人が目指すところは人通りが少なくて真剣な話ができるところ。

 

今まであまり話してこなかった学校の友達の話を聞きながら、私は知美ちゃんのチャリを押して歩く。

塾では勉強の話ばかりだったと気付かされるが、それが健全である。 

 

もう5時過ぎなので、すぐに知美ちゃんを家に帰せるように、知美ちゃんのテリトリー内でゆっくり話せそうな公園を探した。

 

チャリで5分で帰宅できるところに広めの公園があった。

木々で囲まれた薄暗いベンチに座り、お互いの手を温めながらしばらく沈黙が続いた。

さっきまで学校の話をしていたけど、急にムードが変わった。

 

座ってから一言も話していないけど、私と知美ちゃんはもう付き合っているんだということを確信した。

たぶん今日会う約束をした時点で、そういう関係になったんだ。

 

話をするために会ったけど、もはやこの日はずっと沈黙でいい。

 

告白のときには普通、「君が好きだ!」とか「ずっと前から好きでした!」と男なら言うかもしれない。

女性もしかり。

 

しかし、まだ私と知美ちゃんの会話には「好き」という言葉が登場していない。

むしろ「嫌い」という言葉の方が印象が強い。

 

さらに私は女性に「好き!」とか言えるような性格じゃない。

一時期、「耳をすませば」のエンディングの天沢聖司みたいに、力強く告白してみたいとは思ったけど、今回はお相手が高校生だ。状況が不釣り合い。

 

2人が沈黙している間、「好き」とか「嫌い」とかをどう表現するかを考え抜いた結果、そもそも好き嫌いでは言えない感情を知美ちゃんに抱いていたことに気付いた。

 

ただただ、知美ちゃんを大切に思っていればいい。という結論に至っていた。

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塾は勉強するところ

寒空の下、たぶん1時間半はベンチに座っていた。

ほとんど話もしていない。

つまらない人だと思われたかもしれないけど、そう思ってくれた人とはベンチに一緒に座らないだろう。笑

 

そしてようやく私から話題を振る。(もう夜7時になろうとしている)

 

私「よく考えると、2週間会わなかったことって今までほとんどなかったよね!」

 

知美ちゃん「毎週塾に行くのが楽しみだったんです。友達の遊びも全部断ってました!」

 

私「俺も先週知美ちゃんが塾にいなくて、不思議な気分だった!笑」

どうでもいいが、学生時代の一人称は「俺」だった。

 

知美ちゃん「私、塾の前まで行きましたよ!笑」

 

私「塾に入ってくればいいじゃない。間違えて。笑」

 

知美ちゃん「授業前、先生必ずピルクル(500mlの紙パック)買いに外出てくるじゃないですか。待ってたんですよ。」

 

私「ごめん、カルピス持ってたから。笑」

授業でしゃべりすぎると喉が乾燥するんだけど、乳酸菌飲料がけっこう効くんです。

 

塾での知美ちゃんとは別人のように話が盛り上がった。

なぜ塾ではあまり話さなかったのかを尋ねると、、

 

知美ちゃん「塾って勉強するところじゃないですかー。」

そういうところは真面目。関心。

無事に第一志望校に合格

知美ちゃんが塾を卒業して2週間。

合格発表の前に付き合うことになってしまったが、これまでの努力のおかげで彼女は第一志望校の教育学部に合格した。

 

本来はこの日に話すつもりだったが、1,2か月の違いなんてどうでもよくなっていた。

 

しかし一つだけ心配していることがあった。

知美ちゃんのご両親へどう説明するべきか。

 

他の講師にバレるとあまり良い影響は与えないけど、他の講師たちにバレることは気にしていなかった。

 

当時は、彼女の両親は反対すると思っていた。はっきりした理由は思いつかないけど、世間体なのか、自分が親だったら最初は反対する。

 

できれば彼女が大学3年生くらいになるまでは内密にしておきたかった。

その頃には私は就職しているだろうし、ご両親に真剣に交際していると自信を持って伝えられると思っていたからだ。

 

そして合格発表の翌日、私と知美ちゃんは地元の映画館にあるソファーに堂々と座っていた。初めて塾の外で会った日の緊張感はどこかへ消えてしまった。

 

私「お父さんお母さん、知美ちゃんが合格して喜んでたでしょ!もうお祝いした??」

 

知美ちゃん「二人とも先生のおかげだって言ってた!先生のような彼氏を家に連れてきなさいとも言ってたよ!笑」

 

私「本当に連れて行ったら怒られるんじゃないの??笑」

 

この数年の間で、ここまで自分を認めてくれてることを伝えられたのは初めてだった。

 

大学の授業とレポート、塾の授業準備以外、ほとんど何もしていない。

それらだけにエネルギーを費やしてきた。

 

旅行や留学に行く金もなかったし、合コンとかクラブとかいう遊びには興味が無かった。

 

自分のやっていることが、自分にも知美ちゃんにも良い方向に向かわせていることが確信できたことが、何よりもうれしい。

 

2人で真顔の写真撮ろう!の写真。映画館のソファーにて。

予想以上にまだまだ女子高生だったんだなと思った。

 

翌日、彼女からメールの着信があった。

 

知美ちゃん「お母さんに言っちゃった!」

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退屈しない人生のために

大学合格と交際開始の順序が逆転してしまったが、今思うと誤差レベル。

それよりも、交際していることをお母さんにバラすスピード感には驚いた。

私はしばらく秘密にしていたかったけど、彼女には秘密を持ちたいという欲求が無いのかもしれない。

 

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