こんばんは、慧です。
3回目のカラーネガ現像(C-41)です。
自家現像ができるようになると、怪しいフィルムにも手を出せます。
今回は、通常はプジョーの車を持っている人しか手に入れることのできない、個人的にかなりレアなフィルムをゲット。
現像屋さんの間では悪名高いフィルムのようですが、その正体とは?
現像データ
今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。
プジョーフィルムの外観
まず、使ったカメラはRICOH JET (F2.8)です。
過去の修理記事はこちら。
そしてプジョーのノベルティカメラはフリマアプリでゲットしました。500円前後。2024年現在は700円が最安かも。
現像屋さんの間で悪名高いと書いたのは、中身のフィルムのせいで現像機を壊しかねないからだそうです。
こういうフィルムは全手動の自家現像の得意分野ですね。
早速中身を取り出します。
ISO感度200で24枚撮りのカラーネガ(C-41)であるという最低限の情報しか記載がありません。
FujiなのかKodakなのかは、現像後のネガを見るとわかるかどうかといったところ。
フィルムの色でわかっちゃう人がいるかもしれないけどね。
ちなみに24枚撮りと16枚撮りの2パターンの存在が確認できています。
後述しますが、24枚撮りのフィルムでもまともに撮れる枚数は20枚程度です。
C-41現像工程
以下のフローはカラーネガフィルムのC-41現像工程となります。
初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。
使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。
また、「3.漂白」という工程がモノクロ現像と比べ、追加で必要になります。
そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。
工程 | 薬剤 | 処理時間 | 撹拌条件 |
0. 準備 | 温水(前浴) | 1:00 (40.0℃) | 温水の色が透明になるまで撹拌と排液を繰り返す (液温は目安) |
1. 現像 | MARIX C-41 現像液 (2本目及び3本目) | 3:45 (38.5℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し |
2. 停止 | クエン酸水溶液 | 1:00 (30.2℃) | 連続撹拌 |
3. 漂白 | MARIX C-41漂白液 | 9:30 (39.8℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
4. 定着 | MARIX C-41定着液 | 5:00 (37.8℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
5. 水洗 | (1)水道水 (2)富士QW (3)水道水 (4)ドライウエル | (1)1min (2)1min (3)5min (4)30sec | (1)連続撹拌 (2)連続撹拌 (3)連続撹拌 (4)連続撹拌 |
6. 乾燥 | – | 6h | 放置 |
現像時間については、MARIX C-41 現像液の説明書によれば、1本目は3分30秒で、それ以降は本数が1増えるごとに3%の現像時間延長が必要とあります。(現像液の液温は38℃とする)
従って、下のグラフのように現像時間は長くなっていきます。
しかし、現像液の劣化も進んでいくため、12本分までが推奨使用回数とのことです。
今回の自家現像は3回目と書きましたが、厳密には2本目と3本目を同時に現像タンクに入れ現像しています。
つまり以下記事の2本目と同じ現像条件です。
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作例:可処分枚数は少ないが
それでは、自家現像した結果を紹介します。
24枚ではなく完全な状態で撮れた写真は20枚弱でした。
繋ぎ合わされたフジのネガ
撮れた枚数が少なくなってしまった理由は、フィルムの構造が原因。
下の写真のようにネガが黄色いテープで繋ぎ合わされているので、テープがパーフォレーション(上下にある一定間隔の穴)を塞いでフィルム送りが正常に行われなくなる。
ということは現像機内でも一緒。
24枚撮りのフィルムの場合、8枚分フィルムを3本繋げていました。
そのため、テープ箇所では写真は写らず、フィルム送りも不安定になるので下のようなコマ被り写真が何枚か発生してしまいます。
なお、パーフォレーションの近くに「FUJI」とか「200」とあるので、このフィルムの正体は高確率でFUJICOLOR C200でしょう。
ISO感度200で撮った結果
以下にコマ被りのない写真を紹介します。
フィルムの素材としては高品質なFUJICOLORなので、写りはとても良いものでした。
1枚目は、枯れた紫陽花?
花の形から、たぶん紫陽花。撮ったのは12月。
紅葉の色や空がやや暖色系で、温かみがあります。
2枚目は、山茶花?
やはり黄色がかっています。元々はピンク色の花。
3枚目は、旧実家の台所。
どうしても黄色になりますね。FUJI C200の特徴なのでしょうか。
4枚目は、猫じゃらし。
逆光での撮影。黄色の猫じゃらしが光っていて、背景の影が青みを帯びています。
5枚目は、線路。
おそらく期限切れフィルムだけど、粒状感は悪くないですね。
6枚目は、クレーンと空。
もしかすると露出を暗い方向に間違えたかもしれない写真。
少しざらつきが強くなりました。色味も怪しい。
7枚目は、クリスマスツリー。
あえてボケ強めになるように撮りました。
ツリーのイルミネーションが良い感じ。
8枚目は、電柱と農作業車。
なんとなく幾何学的な構図で撮ってみた一枚。
フェンス、電柱、ネットによって大中2つのL字が作られて、右上の農作業車に収束するイメージ。
青と黄色が特徴かなと思ったC200。やっぱり緑も綺麗に写りますね。
退屈しない人生を共に
2回目(2本目と3本目が一緒)のカラーネガフィルムの自家現像でした。
プジョーの謎フィルムの正体はFUJICOLOR C200でした。
24枚撮りはテープによってパーフォレーションが塞がれていて、現像機を使った現像は無理かもしれません。
つまり自家現像が推奨です。
もしプジョーのディーラーなどでノベルティのカメラをもらったら、私に安いお値段で売り飛ばすか寄付するのが最善だと思います。
可処分枚数は少ないけど色味は好み。また使いたいな~。
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