こんばんは、慧です。
5本目のカラーネガ現像(C-41)です。
フィルムは5年期限切れのフジカラー ナチュラ 1600。
単品では1本4000円だったりするので、当然「写ルンです」から抜き取ったものを使います。
安価に手に入れたものとは言っても、かなり貴重なフィルムを遊びで使うのにはちょっとした理由があるのです。
現像データ
今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。
以下のフローはカラーネガフィルムのC-41現像工程となります。
初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。
使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。
また、「3.漂白」という工程がモノクロ現像と比べ、追加で必要になります。
そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。
工程 | 薬剤 | 処理時間 | 撹拌条件 |
0. 準備 | 温水(前浴) | 1:00 (40.0℃) | 温水の色が透明になるまで撹拌と排液を繰り返す (液温は目安) |
1. 現像 | MARIX C-41 現像液 (4本目及び5本目) | 3:50 (38.7℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し |
2. 停止 | クエン酸水溶液 | 1:00 (30.2℃) | 連続撹拌 |
3. 漂白 | MARIX C-41漂白液 | 9:30 (39.8℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
4. 定着 | MARIX C-41定着液 | 5:00 (37.8℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
5. 水洗 | (1)水道水 (2)富士QW (3)水道水 (4)ドライウエル | (1)1min (2)1min (3)5min (4)30sec | (1)連続撹拌 (2)連続撹拌 (3)連続撹拌 (4)連続撹拌 |
6. 乾燥 | – | 6h | 放置 |
現像時間については、MARIX C-41 現像液の説明書によれば、1本目は3分30秒で、それ以降は本数が1増えるごとに3%の現像時間延長が必要とあります。(現像液の液温は38℃とする)
従って、下のグラフのように現像時間は長くなっていきます。
しかし、現像液の劣化も進んでいくため、12本分までが推奨使用回数とのことです。
なお、本記事の5本目の自家現像は4本目と同時に行ったので、以下記事の現像条件と同じです。
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作例:意外と良い写真が撮れた
撮影に使ったカメラはOLYMPUS 35Sです。
過去の修理記事はこちら。
感度補正による画質の違い
ISO感度は1600だけど、そのままの感度で使うのにちょっと躊躇しますね。
高感度フィルムは劣化が早いと聞きますし。というわけで、、
以下がISO感度を補正して撮った写真。
+1段から3段までで試してみたところ、どの感度でも良く写っていることが分かります。非常に高諧調です。
よくよく見てみると、左側の木の幹や右下の葉っぱの色味に差があります。
補正を強めると青成分が強くなるようです。
ISO感度400で撮った結果
冒頭で「貴重なフィルムを遊びに使う理由がある」と書いたのですが、実はこのフィルム、「写ルンです」のパッケージの袋が破れた状態で冷蔵庫に入れていました。
ということは、室温に戻す時に結露した可能性があったのです。(袋の穴から湿気が混入)
結果的にそういうダメージは無さそうだったので、ただただナチュラを楽しんだだけでした。
1枚目は、大学の教室。
影にやや青みがありますね。そしてざらつきが目立ちます。
教員免許を取得したので、もう一生見ることのない景色、かも。
2枚目は、配管。
下の隅にフェンスが写りこんでしまった。
3枚目は、梅と建設中の家。
建設中の家に青いシートが張ってあるので、手前の白い梅が目立ってくれました。
なんとなく涼しさが伝わってきます。
4枚目は、夜のバス。
オレンジと青って良い組み合わせ。別に好きではないのだけど。
こういう屋内もなんとか撮影できるのが、高感度フィルムの利点。
ISO1600にすれば1/50秒で撮れたかも。
5枚目は、トワイライトな空。
ナチュラで撮る日没の空は本当に綺麗。
6枚目は、まつぼっくり。
大学敷地内の道。まつぼっくりの生っている枝が丁度目線の高さに落ちていました。
明るい環境だとコントラストが増すのかな?きびきびしている印象。
7枚目は、花屋の黄色い花。
少し眩しいけれど白飛びはしていないかな。
暖色系も綺麗に写ります。
8枚目は、池の波紋。
常に動き続ける波紋にピント(二重像)を合わせるのは非常に困難なので、少し手前の池の底の沈殿物に合わせました。
9枚目は、移動式八百屋。
こういう移動式の八百屋って昔はよく団地に来ていたイメージ。
今も意外とよく見かけますね。
遠くから写真を撮るだけで、値段や品揃えを見ていなかったので、今度じっくりショッピングしようかな。
10枚目は、路地裏。
開放F1.9と高感度フィルムの力で薄暗い路地裏もこの通り。
もう少し暗く写したほうが雰囲気が伝わったかも。
真ん中に人を立たせて撮りたい場所ですね。
退屈しない人生を共に
今回は「写ルンです」のパッケージに穴が開いていた怪しいフィルムを使いました。
結露が心配だったけど、冬の乾燥した空気のおかげでダメージは少なかったと思います。
ナチュラ1600も含め、終売となったフィルムはたくさんあって、私の次の世代はもっとフィルムの種類が減るのは確実。
近い将来より良いカメラを手に入れたときのために、貴重なフィルムの冷蔵冷凍保管は必須。気を付けないと。
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