こんばんは、慧です。
近年フィルムカメラが流行っていて、店頭で品切れの札を見て落胆する若者をよく見ます。
一方でフリマアプリには定価より高めに出品されていたり、期限切れ品でさえも定価並みの値段が付けられているという事態に。
そこで今回は、思いっきり期限の切れた「写ルンです」でどんな写真が撮れるのかを紹介してみます。
当初は「写らんです」になると想定していましたが・・
2000年代の写ルンです
今回は、15年前に期限の切れた「写ルンです」を使います。
撮れる枚数は今のものと変わらない27枚。昔は他にも39枚とか15枚とかバリエーションが豊かだったようですけどね。
パッケージは今見ると古いですが「世界初 第4の感色層」と記載があるので、この世代の「写ルンです」を境にフィルムの性能が向上したことがうかがえます。
フィルムの内部構造はティラミス状になっていて、青、緑、赤を受光する第1~3の感色層があり、その間に第4の感色層を挟んでいます。
第4の感色層は青、緑、赤の色合いを人間の目での見え方に近づけるための補正層のことで、そのおかげで写真での写りが現実により近づいた、とのことです。
ちなみに今回の「写ルンです」の具体的な有効期限は2006年11月。
この時代の「写ルンです」は1個あたり1000円以下で売っていたと思うのですが、2022年8月現在では1700円を超えます。(同年1月は1200円台で買えたのに)
フリマアプリでは1個2000円以上で出品しているケースもあり不快な気分になりますが、今回のような期限切れ品はやや低価格で入手可能。
もちろん期限切れ品だと画質は保証されないので、修学旅行とか大事なシーンでの使用は避けた方が良いですね。
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作例:意外と写ってしまう
15年の期限切れ品となると、やはり良い結果は期待できません。
というのも、「写ルンです」での撮影条件は、シャッタースピード1/140秒、F値10、焦点距離32mmで固定です。
そのため、フィルムの劣化分をカメラ側で補うことができないので、やや暗めに写ってしまう。
従って今回は、撮影条件を調節できるカメラでも撮影を行うことにします。
具体的には、12, 3枚ほど「写ルンです」で撮影したらフィルムを抜き出し、別のカメラに再装填し残りの枚数を撮影します。
「写ルンです」で撮影すると色褪せ感あり
それでは、まずは「写ルンです」のまま撮影した写真を紹介します。
晴れの日に撮った12枚の内の5枚です。
1枚目は、日陰のごみ置き場。
やや逆光気味でちゃんと写るか不安でしたがバッチリでした。
粒状性は良くないけど、色は十分出ていると思います。
ごみ置き場も愛情込めて撮ると、自分の中では十分作品として見れますね。
2枚目は、モミジと空を見上げて。
青空の色が、目で見た色とほとんど変わりありません。
モミジのオレンジと緑のグラデーションも良い感じ。
3枚目は、赤、青、黄色のブランコ。
原色の多いシーンですが、どの色もしっかり写っています。
4枚目は、濃いピンクの百日紅。
ピンク色はちゃんと出ていますが、全体的に青みがかっているように見えます。
5枚目は、朝の公園。
日陰の部分はモソモソした粒状感ですが、明るい部分は色味がしかっり出ていて良い感じです。
まずは「写ルンです」の写真を紹介しましたが、15年の期限切れの割には良い発色だと思います。
やや色被りし色褪せている気がしますが、許容できるレベル。
それに感度がそこまで落ちていないことに驚きです。
1段明るめに撮影すると鮮やかに
次にMamiya35 Rubyにフィルムを入れ替えて、ISO感度は+1段高めの200に設定して撮影しました。
このカメラはフルマニュアルなので、光量の少ないシーンでもシャッタースピードとF値を調節して撮影することができます。
それでは作例を紹介していきます。
1枚目は、オレンジ色の花。
露光時間:1/500秒
オレンジ色の花がくっきり写っていて良い感じ。
曇り空のせいか空が白飛びしているけど、個人的には許容できるレベル。
この写真を撮っている間、ずっと知らないおじいちゃんに見られていました。
2枚目は、陽光の反射する川。
露光時間:1/500秒
コントラストがちゃんと出ていて良かった。
川に片足を突っ込みそうになったけど、なんとか耐えた瞬間。
3枚目は、ピンク色の百日紅。
露光時間:1/500秒
ピンク色のコントラストがすごく好み。
こんなにくっきり写るなんて、この時はちっとも思っていなかった。
4枚目は、夕暮れの向日葵。
露光時間:1/30秒
薄暗い場面での作例として、日没直後の向日葵と背景の月を撮りました。
涼しい印象を与える一枚になりました。
わざわざバイクを降りて撮って良かった。
5枚目は、逆光下の葉っぱ。
露光時間:1/500秒
家の目の前の木で、フィルムを入れたばかりのファーストショットはこれになることが多い。
葉っぱの透明感がすごく綺麗なのです。
左下側にやや黄色みがかった領域がありますが、これは「写ルンです」分解時の事故で露光してしまった部分。
この程度の被害で済んで良かった。
6枚目は、百日紅と電柱。
露光時間:1/500秒
花と電柱と空は私のお気に入りの組合せ、と気付かされた一枚。
とにかくピンクと緑とスカイブルーが美しい。
今回の撮影で一番のお気に入り。
マニュアル機で+1段明るく撮影してみましたが、大成功でした。少し明るすぎるくらいがちょうど良いのかもしれないですね。
退屈しない人生を共に
今回のフィルムは15年の期限切れ品の中では最上級に保存状態が良かったと思われます。
当初は「15年期限切れは使い物にならないので、購入は控えましょう。」という結論になると予想していました。
良い意味で期待を裏切られた結果となりましたが、必ずしもこのように上手くいくとは限らないので注意しましょう。
次は同じくらいの期限切れ品で、コニカのフィルムを試してみよう。
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