こんばんは、慧です。
今回使う植物は柿の木の枝です。
ネット上で薄いピンク色に染まるという情報を発見し、試してみるというお話です。
ちょうど学校の柿の木が剪定されたばかりだったので、手頃な枝をゲットすることができました。
また、初めての濃染処理という下処理をやってみようと思います。
果たしてどの程度濃くなるのか興味深いです。

豆乳による濃染処理
濃染処理は、より染色が濃くなるための下処理。
いつも使っている綿(コットン)は植物性繊維で、シルクやウールのような動物性繊維より染色されにくい。
そこで豆乳を使います。
豆乳に含まれるたんぱく質が植物性繊維の隙間に入り込み、染色が定着するという理屈です。
濃染処理の手順はシンプルで、豆乳+水を1:1に混ぜた液に布を30分浸し、その後天日干しします。(干す前に水洗いはしませんが、しっかり絞っておきます)

乾燥後の布は少しパリッとした手触りですが、染色した後は下処理をしていない布と大差ありません。
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濃染処理とアルミ媒染の有無
まず、柿の木の枝を細かく刻み煮出します。約45分間。

次に、濃染処理の有無を比較するため、それぞれ2枚ずつ抽出液に入れます。
13分後、布を取り出した結果が下の写真。

処理をしたほうが色が濃く染まっています。
さて、今回の媒染はミョウバン(アルミ)を使います。
媒染の効果も見ておきたいので、濃染処理の有無とアルミ媒染の有無の組み合わせで、4通りの染色を比較。
下の写真が媒染液に12分浸した後の結果です。

アルミ媒染の有無で色の濃淡はそこまで変わりませんでした。濃染処理をしていない布がやや色が薄くなったように見えます。
媒染後、再度抽出液に浸します。
10分後、全体的に色が濃くなりました。

さらに15分後の様子。

時間の追加で特に大きな変化はなく、濃染処理をしたほうが色が濃くなるという理屈通りの結果になりました。
最後に、水洗いをしてアイロンをかけて仕上げです。

アルミ媒染の有無はそこまで色に影響はありませんでしたが、濃染処理ははっきりと効果が表れました。
色味の違いを見やすくするために、重ねて並べてみました。

「+」は濃染処理あり、「Al」はアルミ媒染ありです。一番右の布は白。
「+Al」の布には、洗濯ばさみで挟んだ跡が残ってしまっているので、濃染処理後の乾燥の方法は少し考えないといけないかもしれない。
退屈しない人生を共に
初の濃染処理と柿の木の枝での草木染めでした。
ネットで見かけた薄いピンク色と比べると、やや茶色成分の強い色味になりました。
二番液(2回目の抽出による液)を使ったり、枝の量を増やしたりすると、もしかするとピンクの強い色になるかもしれません。
しかし、今回は濃染処理の効果もはっきり表れたので、目的は達成でした。
ところで、柿の木の枝の入手ルートはもう少し増やしてみたいと思いました。
柿の木のある家がたくさんあるので、剪定した枝をもらえないか訪問することも考えてみよう。

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