こんばんは、慧です。
久しぶりのモノクロフィルムの紹介です。
撮影したのは半年前なので、やっと日の目を浴びることができます。
このフィルムは私が使ったものの中では最高にきめが細かく、なおかつ1本900円以下という安さです。(2022年11月現在)
しかしISO感度が50しかないので、日中の日当たり以外では三脚を使わないと手振れの影響を受けてしまうでしょう。
AGFA Copex Rapidとは?
AGFA Copex Rapidは、低感度のモノクロネガフィルムで、ベルギーのAGFA(アグファ・ゲバルト)が製造しています。
私がメーカーで技術者をしていたときに偶然この社名を聞いたことがありましたが、とても珍しい名前の会社なので印象に残っています。
まさかフィルムカメラを始めて、再びこの会社と出会うとは。
さて、今回のAGFA Copex Rapidとの出会いは、カメラ屋さんからのおすすめがきっかけです。
私が色んなモノクロフィルムで遊んでいると店員さんにお話しすると、
店員「素晴らしいフィルムを紹介しよう。」
と言われ差し出されたのが、このフィルムでした。約半年前のことです。
当時はパッケージのデザインで買うフィルムを選んでいて、KentmereとかArista EDUとかを選びがちだったところに、この無機質な文字だらけのケースの登場です。
少し使いこなすのに不安がありましたが、これからは常用モノクロフィルムの仲間入り。
品薄になる前にこっそりと独り占めしたくなるモノクロフィルム第一位です。
万が一このフィルムを手に入れてしまった場合は、私にプレゼントするか、撮影後は購入したお店に現像を依頼しましょう。
上の写真は135フィルムですが、120フィルム(ブローニーフィルム)もあります。価格は1000円前後とこちらも安いです。
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作例:モノクロ版EKTAR100
作例はMamiya35 Ruby Standardで撮りました。
ISO感度はフィルムの仕様通りの50のままで撮影し、1/100秒より長いシャッタースピードのときはほとんど三脚を使っているか、どこかに押し付けています。
撮影時期は6月~7月です。それでは作例を紹介します。
1枚目は、紫陽花。
赤紫色の紫陽花を撮りました。
影の部分は非常に黒く、引き締まっています。
2枚目は、東京の有楽町駅の近く。
ほぼ屋内で暗かったので、三脚を使っています。
コントラストが高く、ざらつきの非常に少ない写り。
3枚目は、お腹の出ているおじさん。
右奥の電車にフォーカスを合わせたような気がするけど、おじさんのお腹にピントが合ってしまった。
コントラストもあるし、諧調も豊かです。
おじさん、心身疲れていそう。
4枚目は、公園の遊具。
遊具と背景がくっきり分けられているので、立体感があります。
ブローニーのフィルムだともっとすごいはずだ!
5枚目は、東京のビルの隙間から射す日光。
逆光写真は難しいですね。
手前のビル群が暗くなりすぎたような気がするけど、ぎりぎり潰れてはいないかも。
6枚目は、駅のホーム。
ホームで待っている乗客のマスクが白く目立っている。
奥にあるビルを見ると、このフィルムの粒状性の細かさが良く分かります。
7枚目は、神奈川県の宮ケ瀬ダム。
木々の描写が非常に細かい。
8枚目は、宮ケ瀬ダム付近のトンネル。
今回の作例で一番のお気に入り。
トンネルの向こうは白飛びしてしまっているけど、この作例では狙い通りです。
薄汚れた内壁の雰囲気が良い感じに浮き上がってきてくれた。
フィルム1本撮影してみての感想は、やはり粒子の細かさでしょう。
まるでカラーネガのKodak EKTAR 100をモノクロにしたような粒状性。
そして黒がとにかくきっちり出てくるフィルムだと思います。
退屈しない人生を共に
初のAGFA Copex Rapidでしたが、撮れ高が高くとても楽しい撮影となりました。
このフィルムに早くに出会えればモノクロフィルムの楽しさにいち早くハマれる一方、他のモノクロフィルムを使うモチベーションが下がってしまうリスクもあります。(他のフィルムだと粒子が粗く見えてしまう)
しかしISO感度が50しかないので、日向以外でスナップ写真を撮るにはそれなりの三脚と、突然三脚を出して人にじろじろ見られても平気でいられるやや強めのメンタルが必要かもしれない。
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