こんばんは、慧です。
フィルムの価格が毎年上昇している昨今、私はある種のゴミ捨て場から期限切れフィルムを発掘し使い続ける、貧困フィルムユーザーとしてなんとか息をし続けています。
今回は既に製造販売終了したKodakのPORTRA 400VCを二眼レフに装填し、一人クリスマスイヴの横浜へビビッドなものを撮りにおでけけしてきました。
PORTRA 400VCとは?
PORTRA 400VCは、Kodakが過去に製造販売していたカラーネガフィルムで、鮮やかな(ビビッドな)色合いが特徴。ISO感度はもちろん400。
下の写真の通り、PORTRAの160と400には、NC(Natural color)とVC(Vivid color)の2種類ずつバリエーションがあったのです。10年前までは。(写真はブローニー版PORTRA 160VCの箱の裏面)
今では、PORTRA 160とPORTRA 400に統合されていて、選択肢が少なくなった上に販売価格は毎年右肩上がりです。。
一方で富士フイルムのブローニー判カラーネガは絶滅してしまったので、Kodakに頼らざるを得ません。世のフィルムユーザー果たしてどこまで付いていけるのでしょうか。
そんな事情もあり、PORTRAシリーズを新品価格で買えない私は、ついつい期限切れ廃番フィルムである400VCなどを仕入れるわけです。
こういった旧PORTRAは良くても10年の期限切れなので、比較的安価に入手可能。(1本400円以下が目安)
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作例:ビビッドを求めて
今回撮影に使用するカメラは旧チェコスロバキア製の二眼レフカメラFLEXARET Ⅵです。
フィルムは2009年12月に期限切れしたもの。撮影は2022年12月なのでちょうど13年期限切れです。
ISO感度は+1段の200として撮影。
フィルムの名に相応しいビビッドな景色を求めて、クリスマスイブの横浜を一人でお写ん歩です。
それでは作例を紹介します。一部、横浜以外の写真が含まれます。
1枚目は、コカコーラのケースに入ったジンジャーエールのビン。
赤い箱と緑色に透き通ったビンがビビッドポイント。
ランニングの通り道にあるので、いつか撮ろうと思っていた被写体です。
毎回色んな種類、色のビンがあるので、ランニングのささやかな楽しみの一つ。
2枚目は、スケルトン素材のトナカイの置物。
光が当たってカラフルに輝いている。
小学生の頃はこういうスケルトン素材が大好きだった。大昔、ゲームボーイカラーもクリアパープルを買ったし。
3枚目は、観覧車をほぼ真横から。
空の青に対する籠の赤がビビッドポイントです。
それと骨組みの細部まで写せているのは、さすがブローニーフィルムと二眼レフカメラの組合せ。
4枚目は、船を正面から。
フィルムの経年劣化による色被りが目立つけど、おかしな色合いになっていなくて良かった。
この程度なら「エモい」で済む画質かも。
構図がシンプルですっきりしているのも好き。
5枚目は、中華街のランタン。
光源以外はほとんど写っていないけど、何とかビビッドな色合いになった。
日没後の暗い環境だったけど、ランタンの色を写せて良かった。
6枚目は、中華街にある橫濱媽祖廟。
“まそびょう”と読むそうです。割とそのままだけど、初見だとどう読んでいいか不安ですね。
中華街らしいビビッドな装飾。
期限内だとよりはっきりとした色合いで写せたかもしれない。
7枚目は、赤いバラ。
かなりダークに写っているのがかっこいい。
赤いバラは暗く撮るのが好きかも。
8枚目は、家の台所。
今回の作例で一番のお気に入り。
赤、緑を撮りたくなったら大抵家の台所を撮ります。
露出が丁度良かったのか、色被りが目立っておらず黒が締まっていてかっこいい。
1,8枚目以外は横浜で撮ったものですが、どこか分かりましたでしょうか?
2枚目のクリスタルトナカイは既に撤去されているかもしれません。
+1段の明るさで撮影した結果、何とか適正露出だと思われる写真になりましたが、やや色被りがありもう+1段しても良かったかもしれません。
同じくらいの期限切れ400VCは残り4本あるので、次回は思いっきり+2段(ISO感度100)でお写ん歩しようと思います。
退屈しない人生を共に
今は無きPORTRA 400VCでの作例を紹介しました。
10年以上期限切れしているため色被りが目立ち、本来のVividさが発揮できませんでしたが、撮影時の感度補正でまだ使えるレベルだということが分かりました。
逆にこの淡さをエモさと捉えられる寛容さがあれば、カラーネガの種類の乏しい現在をまだまだ楽しめると思います。
ちなみにPORTRA 400VCは、フリマアプリ上ではトイカメラ(HOLGA等)とセットでよく見かけます。
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