こんばんは、慧です。
2023年は新作フィルムが続々登場していて、嬉しさと驚きで心が忙しいです。
ここ最近で最も気になったのが、ドイツORWOのカラーネガフィルム「WOLFEN NC400」。
少数生産の限定版とのことなので、手に入らなくなる前に使ってみることにしました。
結果、赤の描写がかっこよく好みで買って大正解でした。
WOLFEN NC400とは?
「WOLFEN NC400」は、ドイツの映画用フィルムブランド「ORWO」のカラーネガフィルム。
ORWOと言えば、まずはモノクロフィルムのPotsdam(ISO100)やBerlin(ISO400)が思いつきます。
どちらもドイツの有名な都市の名前が付けられていて、今回の「Wolfen」も都市名なのです。(読み方はヴォルフェン)
Wolfenは今でも存在する都市で、第2次大戦頃にはAGFAの工場があった場所。
その後、冷戦時代にはドイツが東西に分裂すると同時にAGFAの商売も東西に二分化。
Wolfenは東ドイツにあったため、東のAGFAは「元祖ヴォルフェン(Original Wolfen)」という意味を込めて「ORWO」という商標を生み出したそうです。
つまりWolfenはORWOにとってとても意味のある都市で、それが商品名となった「WOLFEN NC400」はきっと誇りをもって世に出されたフィルムなのでしょう。
ちなみに「WOLFEN NC500」というISO感度が同じカラーフィルムも、同時に発売しています。
どちらも少数生産かつ限定版のフィルムなので、恒久的に手に入るわけではなさそう。
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作例:低彩度な赤が魅力的
そこまで多くの作例が公開されているフィルムではないので、誰かに見てもらうことを意識して撮影してまいりました。
と言ってもいつも通り通勤途中であったり、休憩時間にお散歩しているときに撮ったものばかりです。
今回最も印象的だったのは赤の描写です。
自分好みの赤だったので、また使いたくなってしまう。
なお、今回のカメラはVoigtlanderのVitomaticⅡaを使いました。フィルムと同じドイツ製です。
1枚目は、街灯と電柱。
彩度が低いという事前情報から、モノクロ写真のような雰囲気になるのかなと思って撮った一枚。
街灯のカバーの青さが際立ちました。
粒状感はそこまで気にならない。
2枚目は、自転車置き場の猫。
緑色がとても落ち着いています。青みがやや強いのかもしれない。
左側の石畳はもう少し赤みがあったけど、このフィルムだと赤は抑え気味。
3枚目は、雨の日の公園。
雨天時の赤はそれなりに良く発色しているようです。
黄色と青もしっかりしています。
4枚目は、赤い花。
晴天時の赤はなんとなく黄色成分が少し抜けた感じになります。
ポストのような赤ではなくて、映画「マン オブ スティール」の赤。
伝わりにくいかもしれないけど、間違っていないはず。
5枚目は、透ける葉。
以前ナチュラ1600で撮ったときと似た色合い。
青みのある緑色が涼しさを感じさせます。
なお、暗部の諧調はとても広そうです。
6枚目は、建設現場と自転車。
少し眩しい写真ですが、諧調の豊かさが分かる一枚です。
粒状性はやや目立ちやすいフィルムとのことでしたが、後ろの構造物は良く写せていると思います。
7枚目は、赤と白の紫陽花。
やはり赤みは抑え気味になります。
こういう赤が好きな人にはちょうど良いフィルムです。
8枚目は、神社の手水。
この日は暑かったけれど、神社の敷地内は少し涼しくて休むのにちょうどよい。
風が止んだ瞬間、水面を鏡のようだったので撮りました。
9枚目は、夕日と富士山。
江の島から撮った夕日。
湿気の多い日だったので、空気感が強く写し出された一枚。
暖色系の空は撮影時に目で見た通りの印象だけれど、実際の海はこの写真よりも青みがありました。
意外にも赤が少し強く出てきたようです。
1本撮ってみた感想として、赤は特徴的な発色をするので、画面内に赤を積極的に取り入れないと目立たない。
そして、彩度が低めなので無機質な人工物を被写体にすると雰囲気が出てくる。
今回、人物を撮っていないので明言できないけど、赤みが少ないので肌はなんとなく血色悪そうに写るのかもしれない。
退屈しない人生を共に
ORWOの限定版カラーフィルム「WOLFEN NC400」の作例を紹介しました。
同じく「NC500」というフィルムも販売されているので、近いうちに撮影して比較したいと思っています。
フィルム全盛期に比べてフィルムの種類は極めて少なくなったけれど、月に1本のペースで撮影している身としてはまだまだ十分に選択肢が残っています。というより、撮影の時間が足りないほど。
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