こんばんは、慧です。
今回入手したTRIP35のジャンク品は、これまで見た中で最も汚れた個体。
セレン電池が生きていそうだったのと格安だったため、ついつい買ってしまいました。
幸い、部品交換にぴったりなTRIP35を確保していたので、無事復活しテスト撮影の結果も良好でした。
不具合:シャッター不動
レンズを覗くと茶色汚れが見えます。案の定シャッターは動かず、即分解することにしました。
原因:謎の茶色い固着
前玉レンズ側から分解していくと、絞り羽とシャッター羽にコーヒーが乾燥したような汚れが広がっています。
この茶色い汚れが何なのかは不明ですが、フィルム室側から侵入したと推測しています。
フィルムの匂いがしたので、もしかするとフィルムが溶けたものかもしれない。
当然、レンズにも汚れが付着しています。
この時点で、絞り羽、シャッター羽、レンズの復活は絶望的に思われました。
対策:シャッター羽・絞り羽の交換
絞り羽、シャッター羽はクリーニングする気力を奪われたので、別のジャンク品(レンズとセレンがNGの個体)から羽類を摘出し、交換することにしました。
レンズは丁寧に汚れを落としていくと、予想以上にきれいな状態に復活させることに成功。
謎の茶色い汚れが、他の汚れやカビから守ってくれたのかもしれない。
本体内のクリーニングをして再組み立てをして、修理は完了となりました。
文章にするとあっという間ですが、実際に修理(というより清掃)にかかった時間は丸1週間でした。(おおよそ1時間×7日=7時間)
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作例:同じ猫に遭遇
今回はテスト撮影を2度行っています。
1度目の撮影で、無限遠調整が上手くいっていないことが発覚。そのため、再調整をして2度目のテスト撮影をしました。
1度目では「写ルンです」の期限切れフィルム(4年)を、2度目では「スナップキッズ」の期限切れフィルム(7年)を使用。
どちらもカメラ側のISO感度設定を200にしています。
「写ルンです」のISO400フィルム
1度目のテスト撮影での作例です。
明るい環境下では絞られているため、ある程度ピントが合っているように見えます。
逆にやや薄暗い環境下では、手前にピントがずれていることが分かります。
1枚目は、コスモス。
目測距離1.0mで撮影。明るい環境だったため、かなり絞られピントずれは目立ちませんでした。
2枚目は、白黒の猫。
距離1.0mで撮影。猫の顔にピントを合わせたつもりです。
実際は猫の尻尾あたりにピントが合っているので、おそらく20cm~30cmくらいは手前にピントがずれている。
3枚目は、紅葉気味の葉っぱ。
距離1.5mで撮影。
明るい環境で絞られたため、ピントずれは目立たず。
4枚目は、団地の隙間。
無限遠で撮影。
右下の草がくっきり写っていて、奥の影がぼやけているのが好き。
ひとまず1度目のテスト撮影で、露出計連動を含めシャッターと絞りが正常に動いていることが分かりました。
これにて今回の修理の主目的は達成されました。
「スナップキッズ」のISO800フィルム
2度目の撮影は、無限遠調整の出来を確認しました。
5枚目は、コスモス。
距離1.0mで撮影。
狙い通りコスモスの花にピントが合いました。
6枚目は、解体中の団地。
無限遠で撮影。
影になっている部分が諧調豊かに写っています。
7枚目は、いつものバー。
距離3.0mで撮影。
「Budweiser」や「7up」あたりを狙っており、上手く撮れたと思います。
8枚目は、白黒の猫。
1度目の撮影とは別日だけど、同じ個体(猫)に出会うことができました。
目測1.0mでばっちりピントが合っています。
目的の無限遠調整が上手くいったので、これにて修理は完了です。
補足:無限遠調整前後の比較
無限遠調整のやり直しをしたので、同じ被写体を撮影したときの写真を比較してみましょう。フィルムの差も顕著です。
前述したとおりどちらも目測距離3.0mで「7up」あたりを狙っています。
「7up」はもちろん、「GINA」のネオンも差があります。
なぜこんなにも無限遠調整を失敗したのか・・。
退屈しない人生を共に
絶望的に汚染されたTRIP35を修理し、テスト撮影を行いました。
さすがに単体での修理はできず「2個1」だったけれど、ジャンク品を上手く活用できたのが嬉しい。
そして無限遠調整に不備があって二度手間になってしまいましたが、2回のテスト撮影中に同じ猫に2度出会えたのも良かった。
これからもテスト撮影の被写体になってもらいたいなぁ。
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