こんばんは、慧です。
以前修理したKonicaⅡが再び不具合を起こしてしまいました。
幸いフィルムを1本撮り終った直後だったので、被害ゼロで済みました。
具体的にはフォーカスノブがピクリとも動かなくなるという故障で、ヘリコイドのメンテを雑に済ませていた私の自業自得。
やはり何事も丁寧に。
修理:ヘリコイド分解清掃
前回の修理内容は、以下の記事で紹介しています。
この時の対処は、ヘリコイド部分を最後まで分解せずに、グリスの固着が和らぐ程度の清掃のみでした。
結果、しばらくしてから再び残存していたグリスが固まり、ヘリコイドが動かなくなってしまいました。
というよりも、ヘリコイドに何か噛んでいるような感触でしたが。(噛むというのは、ドアが勝手に閉まらないようにドアストッパーを挟むような感じです)
さて、もう少し視覚的にどんな不具合かを紹介していきます。
まずフォーカスノブは、ピントを合わせるためにレンズの位置を調節するためのものです。
フォーカスノブを動かす(レンズの周りを時計・反時計まわりに回す)と、ピントの合う位置が変わります。
以下の写真はカメラを真上から見た状態です。
フォーカスノブを回すとレンズが前後に移動します。
今回の不具合は、このフォーカスノブが全く動かなくなるというもの。よってレンズも動かなくなり、ピントも調節できなくなる。
撮影する前には必ず解消しておかなければならない不具合なのだけど、前回修理時には「フィルム1本分」の撮影に耐えられれば十分という理由で、雑なメンテをしてしまいました。
下の写真でヘリコイドの一部(螺旋状の溝)が見えていて、ここから届く範囲で清掃をしたのです。
今回はそれでは不十分なので、ヘリコイドの全領域を清掃するために、下の写真のようにすべて分解しました。
そして清掃後は新たにグリスを塗布します。これで何年戦えるかはしばらく様子見です。
もちろん撮影前には、二重像とフィルム面の像で無限遠の確認をします。
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作例:粗いけど良く写る
テスト撮影に使用したフィルムは、モノクロの「FORTEPAN 100」です。期限は不明ですが、良くて15年期限切れ。
ハンガリーのFORTE(フォルテ)というメーカーのフィルムで、FORTEが2000年台に倒産したため期限内フィルムはもう手に入りません。
それでは2回目の修理後の作例を紹介していきます。
1枚目は、柿。
露光時間:1/500秒
すっかり秋になり、近所の民家や畑に柿の実が成り始めました。
黄色や橙の柿と、まだ黄緑色の柿があるのですが、モノクロでは見分けがつきません。
2枚目は、水道とリス(オブジェ)。
露光時間:1/100秒
公園の水道です。
リスのオブジェにピントを合わせていて、期待通りの写りになりました。
ヘリコイドの修理では、修理前後でピントの合う位置が変わり得るため、写真ができあがるまでヒヤヒヤです。
粒状性の細かいフィルムならより正確に評価できるのですが。
3枚目は、バスターミナル。
露光時間:1/250秒
日陰と日向ともに良く写っています。
かなり高諧調なフィルムですね。
幼稚園の頃はバスの形状やデザインにすごく興味があって、同じバス会社のバスでも模様が違ったりしたのでそれを絵に描いて記録していました。
写真は神奈中バス。
4枚目は、羽田空港の飛行機。
露光時間:1/2秒
羽田空港にて。
滑走路上のカラフルなライトが映えていたのですが、モノクロだと少し寂しいですね。
でも黒潰れせずちゃんと写っていて良かった。
5枚目は、白い花と神社。
露光時間:1/50秒
秋になると良く見かける白い花。
長崎の諏訪神社にて。
岩の質感や、奥の鳥居や屋根の雰囲気もばっちり。
6枚目は、上空1万ftからの雲海。
露光時間:1/500秒
久々に昼に飛行機に乗ったので、雲が非常に綺麗でした。
子供みたいにずっと窓の外を眺めていました。
期限切れによるものなのか、かなりボソボソしているのが目立ち、昔の写真のようです。
7枚目は、照らされる葉っぱ。
露光時間:1/50秒
近所の森の中です。
ちょうど光が差し込んでいたところに、ちょうど良い高さの木がありました。
三脚があればもっとくっきり写せたかもしれない。
8枚目は、山道の水路。
露光時間:1/5秒
ファインダーを覗かずに、カメラを地面に置いて撮影しました。
液体感が出ている一枚。
二眼レフなら上からファインダーを覗けるから、こういう場面は得意ですね。
9枚目は、近所の白い花。
露光時間:1/500秒
たぶん5枚目と同じ種類の白い花。
背景が日陰で暗いので、さらに花の明るさが際立ちました。
期限切れのため、中間色(グレー部分)はかなりボソボソしていましたが、明暗のはっきりした部分は綺麗に写っていました。
同じロットのフィルムがあと3本あるので、別のカメラを修理した際にまた使ってみます。
退屈しない人生を共に
ヘリコイド周辺の修理後ということで、最近接(1mくらい)と無限遠での写真をメインに紹介しました。
いずれも狙いの位置にピントが合っていて、これからは色々なフィルムの作例を作るカメラとして活躍できそうです。
ちなみにKonicaⅡには「Hexanon(ヘキサノン) 50mm F2.8」のレンズがくっついていて、今まで作例作りに使っていたMamiya35 Rubyの「Sekor(セコール)48mm F2.0」との違いも見れたらいいな。
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