【写真作例付き】KonicaⅡ 修理記録 Part1:シャッター清掃と記録用カラーフィルム100での撮影

【写真作例付き】KonicaⅡ 修理記録 Part1:シャッター清掃と記録用カラーフィルム100での撮影

こんばんは、慧です。

最近新たに35mmカメラを修理してみたくなっていたところ、古いコニカのレンジファインダー機と出会いました。

それがこのKonicaⅡで、コニカにとってほぼ最初期の35mmカメラです。

外観は金属の露出が非常に多く、近未来感のあるデザインでかなり好み。

当然ジャンクとして仕入れ、応急処置をしたのち一回目のテスト撮影を行いました。

KonicaⅡの特徴

コニカが1948年に初の35mmカメラ「KonicaⅠ」を発売し、その3年後に改良版である「KonicaⅡ」が登場します。つまり1951年生まれ。

豆知識としてディズニー映画「不思議の国のアリス」がアメリカで公開されたのが1951年だそうですよ。カメラよりアリスの古さに驚きます。(アリスはもう80歳くらいか)

 

さてKonicaⅡは正面から見ると、こんな見た目をしています。

二重像合致式の連動距離計があるのでピント合わせは簡単。

シャッターは最速で1/500秒、絞りはF2.8まで開けます。焦点距離は50mm

レンズ違いのシリーズ機として、F2.0のKonicaⅡA、F3.5のKonicaⅡBがあります。

 

そして見た目で最も特徴的なのは、前面の金属部分と人工革部分の境界線でしょう。

ウェーブ状かつ左右非対称な曲線の近未来感がたまりません。

 

しかし残念なことに、KonicaⅡの前後機種にあたるⅠとⅢは、前面の金属部分が少なくⅡのような面白さがありません。

もし上位機種を手に入れるなら、私の場合KonicaⅢも狙いつつですがKonicaⅡAが本命になります。

スポンサーリンク

応急処置内容

今回入手したKonicaⅡは、すぐに撮影できる状態ではありませんでした。

主な不具合は以下の3つ。

  • レンズやファインダーに汚れあり
  • シャッターの低速側(1/25秒より遅い側)で粘りあり
  • 距離環がほとんど動かない

いずれも古いフィルムカメラにはよくある不具合で、ひとつずついつもの対応をしていきます

レンズ・ファインダークリーニング

まずはレンズとファインダーのクリーニングです。

レンズにはカビが生えていたので中性洗剤で優しく洗います。

今回は比較的簡単に除去できました。

次はファインダーですが、クリーニングするときはハーフミラーの扱いに注意します。

下の写真で、右側の斜め45度の部品がハーフミラーです。

ミラーコーティングが剥がれないように、極めて優しく清掃します。

綿棒に中性洗剤を染み込ませて、優しくポンポンする感じです。

これで視界のメンテは完了です。

シャッター清掃

次はシャッターです。

主にスローガバナー部分をベンジンで洗浄し、乾燥後にミシンオイルを付けておきます。

下の写真で右の部品がシャッター本体。そしてシャッター本体を時計に見立てて6時から9時の部分がスローガバナーです。

シャッター羽は見える部分をベンジンで拭いてあげる程度に留めました。(本来は全部分解して羽をベンジン漬けにします)

以上の簡易清掃で低速側でもスムーズに動くようになりました。

ヘリコイド清掃(雑)

最後は距離環の内部のヘリコイドです。

下の写真のネジ溝部分の油が固くなってしまい、力を入れないと回りません。

理想的には全てバラして溝を清掃し、油を塗りなおします。

しかし今回は早く撮影をしたかったので、最小限のバラしと清掃のみとしました。

結果、テスト撮影後半で距離環は再び固くなってしまいました。(修理Part2へ続く・・・)

作例:FUJI記録用カラー100

一通り応急処置をしてシャッターが切れるようになったら、早速テスト撮影です。

使ったフィルムはISO感度100の「フジカラー記録用カラーフィルム」。

実はこれはつい最近廃盤になったフィルムで、今は代替として以下の「FUJICOLOR 100」があります。中身は同じなのでは?と思っています。

ちなみに3年の期限切れフィルムの作例ですが、非常に色鮮やかで粒状性も細かく驚いています。

それでは作例を紹介していきます。

 

1枚目は、淡いピンクの花。

F値:2.8
露光時間:1/250秒

近所のお散歩コースに咲いていた綺麗なお花。名前は知りません。

偶然にも背景が白黒に割れていて面白い写真になりました。

 

2枚目は、ピンクの花を真上から。

F値:4.0
露光時間:1/500秒

最近よく撮る構図です。上空写真のような作品になるし、花が正面から見えておすすめです。

 

3枚目は、川の反射。

F値:8.0
露光時間:1/500秒

ハイライト部分にフレアっぽいものが出ています。(これもフレアと呼ぶ?)

この時代のカメラなら許容できるレベルでしょうね。

逆に良い雰囲気が出ますし。

 

4枚目は、深夜のターミナル。

F値:2.8
露光時間:1.0秒

2か月くらい前に終電を逃してお散歩していた時の写真。

シャッター清掃の成果が出ているのでヨシ。

 

5枚目は、枯れゆく紫陽花。

F値:4.0
露光時間:1/250秒

撮影は8月上旬でしたが、まだ紫陽花が生き残っていました。

ちょうど陽光があたり神々しいところを撮りました。

 

6枚目は、朝日。

F値:8.0
露光時間:1/50秒

終電を逃して横浜駅から二俣川駅まで歩いた時の写真。

とある駐車場の屋上で撮った朝日です。

これを見た後、気合で会社に行きました。

 

7枚目は、ピンクの百日紅。

F値:5.6
露光時間:1/500秒

今回の撮影で1番か2番に気に入っている写真。

薄ピンクの百日紅で、夏なのに桜を観ている気分になれる一枚。

 

全体を通して狙いにピントが合っているし、露出も問題無さそうだということが分かりました。

しかし距離環はやや固く、一度バラして徹底的に清掃する必要があります。

それにしても記録用カラーフィルムの写りには驚きです。

きっとコスパ最強のフィルムだったのでしょう。

スポンサーリンク

退屈しない人生を共に

1951年発売のKonicaⅡに応急処置を施し、テスト撮影してみました。

この時代のレンジファインダー機は露出計が非搭載であることが多く、修理箇所が少なくなって助かりますね。

そのため基本的なクリーニングのみで撮影可能な状態に復活させることができました。

さらに記録用カラーフィルムの良さにも気付いてしまい、フィルム1本500円以下で買えた時代の人々に嫉妬です。

次回は再び固まってしまった距離環を修理して、2回目のテスト撮影の結果を報告します。

https://localtrainlaboratory.com/2022/10/13/konica2-part2/

フィルムカメラカテゴリの最新記事