【写真作例付き】期限切れ1年のAGFA COPEX RAPIDをMARIXのD-76現像液で【自家現像No.011】

【写真作例付き】期限切れ1年のAGFA COPEX RAPIDをMARIXのD-76現像液で【自家現像No.011】

こんばんは、慧です。

ついにAGFA COPEX RAPIDの自家現像に挑戦しました。

このフィルムは、トップクラスの高コントラストと高精細を兼ね備えた低感度モノクロフィルム。

好みな画質だし値段も高くないので、自家現像が上手くいけばヘビーユーズは間違いなし。

今回はD-76現像液で処理したところ、割と良好な結果が得られたので、今後のモノクロライフが充実しそう。

現像データ

今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。

まず、使ったカメラはヤシカリンクス1000です。

そしてフィルムは「AGFA COPEX RAPID」の1年期限切れ品。

撮影時の露出設定は、そのままのISO感度50にしています。

なお、カメラについての記事は以下の通り。

現像条件

以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。

初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。

使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。

パターソン|PATERSON スーパーシステム4現像タンク ユニバーサルタンクアンドリール PTP115

そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)

工程薬剤処理時間撹拌条件
1. 現像D-76 Developer 原液※1
(疲労度 2.0本/L)
5min(20.5℃)最初の1minは連続撹拌
その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し
2. 停止クエン酸水溶液※21min連続撹拌
3. 定着スーパーフジフィックス-L※310min最初の1minは連続撹拌
その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し
4. 水洗(1)水道水
(2)富士QW※4
(3)水道水
(4)ドライウエル※5
(1)1min
(2)1min
(3)5min
(4)30sec
(1)連続撹拌
(2)連続撹拌
(3)連続撹拌
(4)連続撹拌
5. 乾燥6h放置

薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。

現像時間は、液温20.5℃で5分としました。こちらのフィルムガイドに参考にした現像情報があります。

一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めます。

なお、AGFA COPEX RAPIDには専用の現像液「SPUR Dokuspeed SL-N」があるようです。

 

以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)

※1. 現像液:D-76 Developer(原液)

D-76 Developerはメルカリを介してMARIXから同等品を購入しました。1000mL分×3袋で1500円です。

もちろん、液の状態ではなく粉末の入ったパックが送られてきます。

現像液の作り方はパックに記載の通りで、初心者の私にも簡単に作れました。

 

※2. 停止液:クエン酸

※3. 定着液:スーパーフジフィックスL

※4. 水洗促進剤:富士QW

富士フイルム FUJIFILM 仕上剤「富士QW」(2L用) QW2LNEW

※5. 速乾剤:ドライウエル

自家スキャン結果

ネガをデジカメで撮り白黒反転しました。コントラストは調整しています。

変な斑点とか現像ムラは無さそうなので、現像時間と液温は大外れしていないと思います。

 

ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管しています。

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作例:一安心な画質

それでは作例を紹介していきます。

有効期限から1年切れていたけど、特に異常はなさそうでした。

 

1枚目は、サザンカ。

F値:2.8
露光時間:1/60秒

このフィルムで撮る葉っぱは、質感がツルっとした雰囲気になる気がします。

そこも好みな点。

 

2枚目は、葉と影。

F値:4.0
露光時間:1/1000秒

コントラストが高すぎるのか、ほぼ3段階の明度で写った一枚。

影を撮ると面白いかなと思ったけど、ここまで極端な黒さだと微妙かもしれない。

 

3枚目は、輝く配管。

F値:4.0
露光時間:1/250秒

反射率の高い配管。

配管の凹凸に影ができて模様になっていたのですが、やや暗部が見えづらい。

 

4枚目は、ガラスのコップ。

F値:2.8
露光時間:1/125秒

かなりコントラストの高い環境だったけれど、ガラスの質感が諧調豊かに表現できている気がします。

コップの手前の蛇口も良い感じ。

 

5枚目は、丸太の遊具。

F値:1.8
露光時間:1/1000秒

少し距離を取ってのF1.8。

ちょうどよく被写界深度内に丸太が収まった印象。

加えて背景が暗くなり、丸太の存在感が増しました。

 

6枚目は、台所。

F値:1.8
露光時間:1/125秒

いつもの家の台所。暗部はやや潰れがちに。

アイキャッチ画像のネガにもこのコマがありますが、スキャン時の調整でもう少し諧調豊かに写るかも。

 

7枚目は、ベランダ。

F値:5.6
露光時間:1/250秒

団地のカオス感が好き。

特にベランダは部屋ごとの個性が出てくるので、複雑さが増しますね。

 

8枚目は、ノームとブランコ。

F値:2.8
露光時間:1/2秒

最近実家にぶら下がっているノームの置き物。父親が買ってきたもの。

実用性は皆無だけど、少しこういう置き物があると癒しになるかもしれない。

 

9枚目は、猫。

F値:1.8
露光時間:1/30秒

誰かに飼われている野良猫。

チャリ置き場に猫の家が設置されていて写真映えする。しかしチャリは置きにくくなる。

撮影環境が日陰で暗かったけど、十分なコントラストが得られました。

退屈しない人生を共に

初のAGFA COPEX RAPIDの自家現像を行いました。

ひとまずD-76現像液で処理をしたところ、高コントラスト、高精細という本来の画質が無事に再現できた気がします。

しかし元々高コントラストな環境で撮った写真は、暗部がやや潰れ気味になった。

次回このフィルムを使うときは、あまり環境由来のコントラストに依存しない撮り方をしてみたいと思いました。

過去に撮ったAGFA COPEX RAPIDの作例は以下の記事に掲載しています。

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