こんばんは、慧です。
今回はカメラ屋さんでゲットした期限切れの「Berlin400」を、MARIX社販売のD-76現像液で現像してみました。
わずか10カ月程度の期限切れ品だったので、撮影時は特に補正せず、現像についても仕様通りの方法で処理しました。
3ヵ月ぶりの自家現像だったけど、上手にできて満足。
現像データ
今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。
まず、使ったカメラは二眼レフのFlexaretⅥです。
そしてフィルムは「Lomography Berlin Kino 120 ISO400」の10カ月期限切れ品。フィルムの正体はORWOの映画用フィルムとの噂。(Kinoは映画という意味)
撮影時の露出設定は、そのままのISO感度400にしています。
現像条件
以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。
初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。
使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。
そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)
工程 | 薬剤 | 処理時間 | 撹拌条件 |
1. 現像 | D-76 Developer 原液※1 (疲労度 1.0本/L) | 12min(20.0℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し |
2. 停止 | クエン酸水溶液※2 | 1min | 連続撹拌 |
3. 定着 | スーパーフジフィックス-L※3 | 7min | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
4. 水洗 | (1)水道水 (2)富士QW※4 (3)水道水 (4)ドライウエル※5 | (1)1min (2)1min (3)5min (4)30sec | (1)連続撹拌 (2)連続撹拌 (3)連続撹拌 (4)連続撹拌 |
5. 乾燥 | – | 6h | 放置 |
薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。
現像時間は、液温20.0℃で仕様通りの12分としました。
一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めます。
なお、こちらのフィルムガイドに公式の現像情報の記載があります。
以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)
※1. 現像液:D-76 Developer(原液)
D-76 Developerはメルカリを介してMARIXから同等品を購入しました。1000mL分×3袋で1500円です。
もちろん、液の状態ではなく粉末の入ったパックが送られてきます。
現像液の作り方はパックに記載の通りで、初心者の私にも簡単に作れました。
※2. 停止液:クエン酸
※3. 定着液:スーパーフジフィックスL
※4. 水洗促進剤:富士QW
※5. 速乾剤:ドライウエル
自家スキャン結果
ライトで透かしてGR3x(デジカメ)で撮影したものを、白黒反転した画像(2コマ分)が以下になります。
ライトとネガの間に白い紙を挟んでいるので、紙の質感が透けて見えてしまっています。
現像ムラ等の不調はなさそう。
ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管しています。
スポンサーリンク
作例:暗部のディテールが良好
撮影時期は6月。晴れの日と雨の日にバランスよく撮影できました。
紫陽花もちょうど見頃でした。
1枚目は、フェンスと南京錠。
強めの逆光下で、金網と南京錠のシルエットがはっきりと写りました。
かなり人通りの多い道で、もしかすると人の足が画角に入っていた方が面白かったかもしれない。
2枚目は、晴れの日の紫陽花。
確か黄色の花。朝の日光が透け、全体的にコントラストの高い一枚になりました。
絞りは11だけど、近接で撮れば背景はそこそこにボケますね。
3枚目は、夜のスーパー。
こういう対岸の歩道を撮る写真が好きです。
これからはフィルム1本につき必ず1枚は撮りたい構図。
4枚目は、雨の日の紫陽花。
ものすごく湿気を感じる一枚。
雨の日のモノクロも楽しいですね。暗部のグラデーションが楽しめます。
5枚目は、建設現場。
工事現場のカオスな構造物が好き。
実は自転車が歩道を通るのを待ち伏せしていたのだけど、運良くバイクも現れてくれました。
左側に若干粒状性の粗い部分が見えます。
6枚目は、自転車。
またしても自転車の待ち伏せです。
ちょうど光が射していて、コントラストの高い写真になりました。
7枚目は、霧雨時の紫陽花。
今回の一番のお気に入り。
紫陽花の葉の黒さに滑らかなグラデーションが生まれていて、とてもかっこいい。
退屈しない人生を共に
MARIX社製のD-76 Developerを使ってBerlin400を自家現像してみました。
晴天時の高コントラストな環境、雨天時の暗部が滑らかに写る環境の両方で撮影できて充実でした。
それはそうと、自分の中でモノクロフィルムで撮るものと言えば「切り株」なのだけど、今回はすっかり忘れていました。
次回は忘れずに切り株を探そう。
コメントを書く