こんばんは、慧です。
ソビエト連邦時代の古いカメラをゲットしました。
よくスメハチと言われる機種の前身にあたるスメナ8、元祖スメハチともいうべきカメラです。
T-43というレンズは評判がよく、実際に写真を撮ってみると、トイカメラだと思っていた自分の認識を改めるきっかけになりました。

LOMO SMENA 8とは?
LOMOはロシアの光学機器メーカー「レニングラード光学器械合同」のことで、フィルムブランドのロモグラフィーとは組織的には異なるけれど、言葉の由来に関しては無関係ではないようです。
SMENA 8(スメナ8)は、LOMOの35mm判カメラでスメナシリーズの一つ。

スメナシリーズには、スメナ1からスメナ9、そしてスメナ8M、スメナシンボル、スメナ35など、多くのバリエーションが存在します。
今回のスメナ8はその中でも機能的に充実している機種で、シャッタースピードはB、1/15~1/250秒、絞りは4.0~16、セルフタイマー付きとスナップには十分なスペックです。
レンズはT-43という型名で、スメナ6あたりから変わっていないようです。焦点距離は40mm。

フィルムの巻き上げにはお作法があり、下の写真のようにシャッターボタンを押しながら、赤い印を合わせてから巻き上げます。

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修理:経年の汚れを除去
修理内容は経年で生じた汚れの除去がメイン。
ヘリコイドグリスの清掃
まずはレンズユニットを外しながら、ヘリコイドの古いグリスを除去します。

黒いネバネバしたグリスのせいで、フォーカス調整が固くやりづらくなっていました。
レンズユニット内には絞り羽が見えますが、分解しないほうが良さそうです。
シャッター機構の清掃
シャッター羽にはヘリコイドから漏れたと思われるグリスが付着していて、シャッターはまったく開かない状態。

ひとまずシャッター周りをベンジンで洗浄したら、動作するようになりました。
巻き上げギアの組付け直し
この不具合はフィルム1本を撮影した後に気付いたもので、巻き上げ機構の内部でギアが外れており、空転していました。

ギアの噛み合わせを直し、すべての修理は完了です。ギアの歯が欠けていなくてよかった。
ちなみに巻き上げは、冒頭で記載した赤印を合わせた後、巻き上げのつまみを引いてから行います。

作例:15年物のGOLD 400
テスト撮影には24枚撮りの期限切れフィルムを。
Kodak GOLD 400の15年ものです。

ISO感度比較
こういう期限切れフィルムを使う時は、テスト撮影をしながらISO感度を動かして比較写真を撮っておきます。

15年期限切れだと、2段明るく撮影すればそこそこに写ることが多いです。
実際、1段か2段の補正で劣化による色被りは少なくなりました。
スメナブルーの片鱗
スメナで撮った写真には独特の青みがあるらしく、スメナブルーと呼ばれているようです。
それ故、なるべく青いものを撮ってみました。

やや色褪せている感じはしますが、バランスは崩れていないように見えます。
下の枝垂れ桜の写真は、花びらと空の淡い色が最高です。


消防車の赤は予想以上にはっきりと発色してくれました。




晴天の日は、なんとなく全体的に青みのある写りに。

屋内での撮影にも耐えてくれました。



T-43というレンズ、割とくっきり写りますね。
開放F4.0なので、フォーカス合わせの難易度も高くなく、楽しくスナップできました。
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退屈しない人生を共に
ソビエト連邦時代のスメナ8の修理をして、15年期限切れのフィルムでチャレンジングな撮影をしてみました。
スメナ8では巻き上げとシャッターチャージが別々の機構になっているため、多重露光撮影が容易にできます。というより、誤って多重露光になってしまうことがあります。
今回はそういうミスが無かったので、次回はあえて多重露光させて、いつもと違う楽しみ方をしてみようと思います。
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