こんばんは、慧です。
先日、若手男性教員と雑談している中で、趣味の話とかどんな本を読んでいるかという話題になりました。
私がほとんど読書しないのと対照的に、その先生はかなりの読書家。本人はそうは思っていない様子だけれど、知識の幅の広さから鑑みて間違いない。
雑談の後、どうしたら読書欲が湧いてくるのか考えてみたところ、シンプルな答えのようなものが浮かび上がってきた。

「継承」という視点
本記事では、月に一冊読書するかしないかというレベルの小学校教員が、読書欲を上げるためのきっかけを得た話をやや大袈裟に紹介します。
日頃から読書をしている人からすると、何を今更と思われるかも。
読書のジャンル
今まで一番読んできた本のジャンルと言えば、理工学系の教科書や参考書。
そういう大学生必須の読書を除けば、社会人なりたての頃に「大前 研一」シリーズとか、広告関連の書籍を読んだ記憶があります。
教職の勉強を始めてからは当然教育系の本を多く読みこんで、何十もレポートを書いたのが数年前。
教員になった今、精神的な余裕が出てきたせいか、自分としてはかなり幅広いジャンルの本を読むようになりました。
以降、敬称略で書きます。
任天堂の「岩田さん」、稲盛 和夫の「生き方」のような産業界の大物が書いた本。
学生時代の専攻である宇宙物理学の簡単な読み物。
中村 哲や星野 道夫のような、常人ではない人物のことを描いたノンフィクション本。
などなど。
そして昨年たまたま古本屋で見つけた「数学の贈り物」と「数学する人生」という本。
「数学の贈り物」は森田 真生という(若い)数学者の書いたエッセイで、文章の所々に「岡 潔(おか きよし)」という人物が紹介されています。
岡 潔は、一言で言えば20世紀に名を残した天才数学者。
その岡 潔のエッセイを森田 真生が編纂したのが「数学する人生」です。
そして先週、岡 潔のことを調べて辿り着いたのが「高瀬 正仁」という数学者。現在、九州大学の教授をされている方で、毎週オンラインセミナーを開催していることを知ったのです。
「高瀬 正仁」の数学塾に参加
前置きが長くなりましたが、このセミナーに急遽参加してみたので、その感想を残しておこうと思ったのです。
セミナーのテーマは「オイラーとラグランジュの往復書簡について」。
この二人の名前を聞いてピンとくるのは物理系や機械系の出身の人がほとんどだと思います。そう、解析力学のオイラー・ラグランジュの方程式です。
ただ、本記事では特に難しい数学や物理の話をしたいのではなく、オイラーとラグランジュの関係をちょっとだけ紹介してみたいだけです。
セミナーの内容を少し引用すると、当時10代だったラグランジュと、70代のオイラーが、手紙を通してある数式について議論していたが、このやりとりが「解析力学」という学問の誕生のきっかけになったという話。
単純に「頭のいい人同士が議論した結果、あたらしい学問が生まれただけ」と思ってしまうかもしれないが、「そうではないんだ」と高瀬教授は熱く語っていました。
オイラーとやりとりをしていた人が、ただの数学が得意な若者なのではなく、オイラーの意志や文章(数式を含む言葉)から琴線に触れることができたラグランジュだからこそ、解析力学の基礎がこの時生まれたのだという。
ただ難しい数式を計算してみせた、という学力だけの話ではなく、相手の意志に応えたいという思いがなければ、こうした科学の発展はなかったというわけである。
これまで、こうした人物(学者)の思いまで考えて数式を読み解いてはこなかった私からすると、科学技術の発展にはAIでは代替できない、人間ならではの営みが重要な鍵になっているのだと感じました。
人から人へと継承するもの
私は、好奇心から本を読むことはあまりなく(好奇心は旺盛な方だと思うけれど)、だからこそ読書の理由は利益を重視してしまう傾向がありました。
「これを読めばレポートが書ける」とか「これを読んでおけば、〇〇で役に立つ」とか。
しかし、今回のセミナーを聞いて「本や映画から得たものを誰かに伝えたいし、伝えてもらいたい」という欲は、昔からわずかに感じていたことを思い出しました。
稲盛 和夫の「生き方」を読んだのも、3年前にお世話になった同い年の教員のおすすめ本だったし、「中村 哲」は恩師の尊敬する人物だったというのもある。
継承というと大袈裟だけれども、身近な誰かからおすすめされた本は、なんとか読んできた。
だから逆に、私が読んだ本を誰かにおすすめするのも、読書欲を持ち上げる理由にしてもよいかもしれない、と思う。
冒頭で「読書欲を上げるには」という問いに、シンプルな答えが見つかったと書いたけど、この「継承したい・されたい欲」を満たすことが、その答えかもしれない。
若手教員との雑談時は、彼が読書で得たであろう知識を使って話をするのが、非常に楽しそうに見えた。
次は私から何かを伝えてみたい。きっと楽しいに違いない。
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フィルムを再び裏返す
レッドスケールフィルムはLomographyから発売されている特殊なフィルム。
写真全体が赤く写るフィルムで、その原理は意外と単純。
フィルムの裏表を裏返しただけなのである。

つまり通常の露光面の裏から光が当たるので、色の乗り方が変わり赤く写る。
今回はいつも通っている現像屋さんのスタッフから、レッドスケールフィルムの特殊な使い方を教えてもらったので、実際に試してみました。
やることは、レッドスケールフィルムを再度裏返しにして撮影するということ。
つまり、元々の露光面に光を当てることになるので、レッドスケールフィルムは普通のカラーネガフィルムになるということ。
その結果が以下の写真。(120フィルムをセミ判で)

ISO感度をおおよそ100~400にして撮り比べてみました。
空の青さから、ISO感度400が適正のように見えますね。
上の写真はそこそこまともに写っていますが、下の写真にはあるデメリットが顕著に現れています。

赤点線で示した部分を見れば一目瞭然。
フィルムがカメラ内でカールしてしまい、平滑性が破綻しています。
ちなみに使ったカメラはZeissの蛇腹カメラ。
フィルムのカールを抑えるには、裏返した後しばらくそのまま保管しておく必要があるかもしれませんね。
もしかすると135フィルムならカールの影響が少ないかも。
退屈しない人生を共に
読書の話とフィルムカメラの実験の話を、なぜかひとつの記事の中で紹介してしまいました。
たまにこういう複数のジャンルを同一記事内に詰め込むのは、もしかすると同じような考えや趣味を持った人がこのブログに辿り着くかも、という淡い期待を抱いているから。
辿り着いたところでコミュニケーションをするかは分からないけれど、オイラーとラグランジュのような年齢を超えた共鳴のようなものを望んでいるのかも。

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