こんばんは、慧です。
フィルムカメラを始めて2年が経ち、ついにモノクロフィルムの自家現像に手を出しました。
正直、フィルムへの探求というよりも節約が主な目的です。
今回は現像失敗による精神的ダメージ(撮影枚数)の少ないブローニー判のAcros100を使ってみました。
現像データ
今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。
まず、カメラはセミ判の蛇腹カメラ「Zenobia-R」です。
フィルムは廃盤モノクロネガ「ACROS 100」の8年期限切れ品。
セミ判カメラは6×4.5cmサイズの写真を16枚撮れるので、35mmフィルムよりも手軽に、かつ二眼レフのような中判(6×6)よりも枚数を確保できる。
現像条件
自家現像をするにあたり、事前に作業フローを作成しました。
以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。
初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は停止液以外使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。
ちなみに初めてのフィルムのリール巻きは15分もかかってしまいました。これは慣れるしかありません。
使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。
そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)
工程 | 薬剤 | 処理時間 | 撹拌条件 |
1. 現像 | ミクロファイン原液※1 | 6min(26℃) | 最初の1minは連続撹拌 その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し |
2. 停止 | クエン酸水溶液※2 | 1min | 連続撹拌 |
3. 定着 | スーパーフジフィックス-L※3 | 10min | 最初の1minは連続撹拌 その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し |
4. 水洗 | (1)水道水 (2)富士QW※4 (3)水道水 (4)ドライウエル※5 | (1)1min (2)1min (3)5min (4)30sec | (1)連続撹拌 (2)連続撹拌 (3)連続撹拌 (4)連続撹拌 |
5. 乾燥 | – | 6h | 放置 |
薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。
現像時間だけ26℃で5分45秒のところを、もたもたして6分になってしまいました。
一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めた方が良さそうです。
以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)
※1. 現像液:ミクロファイン
※2. 停止液:クエン酸
※3. 定着液:スーパーフジフィックスL
※4. 水洗促進剤:富士QW
※5. 速乾剤:ドライウエル
自家スキャン結果
定着後に像がはっきり写っていたら現像成功です。
その後はおおよそ一晩ネガを乾燥させます。
私の初自家現像は、トップ画にあるように大変上手くいきました。
自宅の家庭用プリンターでスキャンして、白黒反転した画像(2コマ分)が以下になります。
ネガ用のスキャンモードが無いため速報値レベルの画質ですが、現像ムラなどの異常は見られませんでした。
ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管することにしました。
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作例:初現像にしては上出来?
さて、自家スキャンでは本来の繊細な画質を楽しめないので、カメラ屋さんに行ってデータ化とプリントをしてきました。
それでは期限切れACROS100の自家現像結果を紹介していきます。
1枚目は、昔遊んだ公園。
背景は暗く陰になっていて不安でしたが、しっかりと写っていました。
2枚目は、古びた非常階段。
こちらも影の部分もはっきりとディテールが写っています。
3枚目は、切り株。
過去にAGFA Copex Rapidなどで撮ったことがある切り株です。
ここ最近で最も映える切り株。
4枚目は、蛇口とホースと影。
蛇口とホースの影が面白かったのでパシャリ。
5枚目は、枯れた紫陽花。
完全に枯れきった紫陽花。
花びらを透過した光が綺麗。
暗部の枝がよく写っています。
6枚目は、団地の手すり。
団地に住んでいたせいか、色々な団地を巡るのが好き。
階段とか通路とか、似ている部分とそうでない部分を見比べるのが面白いのです。
7枚目は、送水口。
ピントがばっちり合った珍しい一枚。
金属光沢が美しい。
8枚目は、リビングのカーテン。
ちょうど朝日が昇って十数分後のリビング。
羽毛布団のしわが良いし、室内側が少し薄暗いのも良い。
毎回撮って比較してみたら面白いかも。
退屈しない人生を共に
初のモノクロフィルム現像を終えて、色々と課題が見えてきました。
最大の難所はフィルムのリール巻き。
自分では手先が器用だと思っていたのが恥ずかしいくらい苦戦しました。
現像・停止・定着あたりは、液温と時間をしっかり管理しておけば致命的な失敗は起こらないでしょう。たぶん。
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