【写真作例付き】RICOH CADDY修理記録:シャッター内の錆除去と「水中用写ルンです(ISO800)」でのテスト撮影

【写真作例付き】RICOH CADDY修理記録:シャッター内の錆除去と「水中用写ルンです(ISO800)」でのテスト撮影

こんばんは、慧です。

リコーのハーフフレームカメラの元祖「RICOH CADDY」のジャンクをゲットしました。

レンズは良品でセレン電池も元気。しかしシャッターの動きが鈍く、そのままでは撮影できない状態でした。

今回のシャッター不具合はいつもと異なり、「洗浄」だけでは解消されませんでした。

RICOH CADDYの特徴

RICOH CADDYは1961年発売のハーフフレームカメラ。

冒頭でも書いた通り、リコー初のハーフです。

セレン電池による露出計の指針を読み取って、マニュアルで露出を決める「追針式」での露出設定となります。

シャッタースピードと絞り値はハーフカメラにしてはそこそこ幅広く設定できます。

オリンパスのPEN-EEなどと比べると低速シャッターが充実していて、手振れ対策を頑張れば夜間での撮影も可能です。

しかしフォーカスはPEN同様に目測なので、絞り開放での撮影は少し難しいかもしれません。

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不具合:シャッター粘り

致命的な不具合はシャッターの不調のみでした。

やはり低速側に強めの粘りがあり、いつも通りシャッターの清掃を行いましたが、それだけでは不具合は解消されませんでした。

原因:ギアのサビによる摩擦過多

もう少し念入りに清掃しようとスローガバナーのギアを分解していると、ギアと軸の周りに錆?のようなものが付着していることが発覚。

手でギアを回すとこのギアだけ抵抗感があったので、この錆による摩擦過多が低速シャッターの動きを悪くしていると推測できます。

対策:錆の除去とクリーニング

ギア周辺の錆を落として、いつも通り注油して、シャッタースピードの確認をしました。

1秒以上かかっていた1/4秒シャッターは無事適正な状態に復活しました。

残りの低速シャッターも問題無さそうです。(概ね狙いの値±15%以内)

作例:真面目な作りのハーフ

テスト撮影では水中用の写ルンです「New Water Proof」ISO感度800フィルムを使いました。

この「写ルンです」は生産終了していて、最も新しいもので2021年の期限切れ品になります。

今回は、2020年の期限切れかつ、3枚だけ撮影済みの中古品を安く手に入れたので、残りの24枚分で撮影します。

ハーフ換算で48枚程度です。

2年半しか期限が切れていないけど、一応ISO感度400で露出設定しました。

 

1枚目は、雨の日の羽田空港。

F値:2.8
露光時間:1/30秒

露出を設定している時にフォーカスリングを動かしてしまい、ボケた写真になってしまいました。

RICOH CADDYは各種調整リングが薄いので、操作感は少し悪い。その代わりにコンパクトではあるけれど。

 

2枚目は、やる気のない犬。

F値:16
露光時間:1/250秒

この犬、写真を撮ろうとすると一瞬こちらを見てすぐに寝てしまいました。

番犬としては無能ですが、癒し力は高い。

撮影条件は最も暗くなるようにしたけれど、ISO800フィルムにやや負けました。(明るすぎた)

 

3枚目は、木に張り付いている草。

F値:5.6
露光時間:1/250秒

木のことはよくわからないのですが、幹はブナの木っぽい。

根本から生えてきてる草はブナではなさそう。

 

4枚目は、金魚の発光系オブジェ。

F値:4.0
露光時間:1/60秒

長崎のランタンフェスティバルで撮った一枚。

夜間でも高感度フィルムを使えば、発光しているものは容易に撮れてしまう。

目が丸くて口が開いているのでアホっぽい。

 

5枚目は、長崎市の町並み。

F値:5.6
露光時間:1/125秒

とある展望台から長崎市街地を撮影。

粒状感が悪いけれど、無限遠は問題なく撮れていそう。

 

6枚目は、長崎の夕景。

F値:11
露光時間:1/250秒

先と同じ展望台から日が沈むところを一枚。

神奈川に住んでいると海に沈む夕日は中々見れないので、個人的に貴重な時間。

 

7枚目は、ビンのゴミ。

F値:16
露光時間:1/250秒

毎日いろいろな色のビンが置いてあるので、ついつい撮りたくなるスポット。

やっぱり粒状感が悪いのが目立つ。

 

8枚目は、電球と提灯。

F値:2.8
露光時間:1/60秒

絞り開放で最近接1.0mでの一枚。

背景のボケは癖がなく落ち着いた感じがします。そしてイルミのボケが可愛く見える。

レンズのことを全然分かっていないのですが、ボケの描写はレンズの構成で変わるんですよね。きっと。

ちなみにRICOH CADDYのレンズは3群4枚のTessar(テッサー)タイプという構成らしく、画角全体の収差が良いみたい。

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退屈しない人生を共に

リコーの初代ハーフカメラ「RICOH CADDY」を修理・テスト撮影しました。

絞り開放での撮影はピント合わせが難しめだけど、上手くいったときの写真は中々立体感のある一枚になりました。(8枚目)

お手軽に撮影するのであれば、絞り値を高めにして無理なくフォーカス合わせするのが良さそうです。

 

ところでリコーは「CADDY」発売の翌年に「オートハーフ」を世に出します。

「オートハーフ」は完全にオート露出による撮影が可能ですが、逆にフォーカスも含めマニュアル感は皆無です。

当時はそのようなカメラが流行ったのでしょうけど、個人的にはこの「CADDY」が一番魅力的に思えます。

今度使うときは粒状感の良いフィルムを入れてみようね。

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