【写真作例付き】10年以上期限切れISO感度1600フィルムは使用可能率50%以下?

【写真作例付き】10年以上期限切れISO感度1600フィルムは使用可能率50%以下?

こんばんは、慧です。

10年以上期限の切れたISO感度1600のフィルムを4本使って撮影してみました。

フィルムカメラ初心者の目線では、4本中2本は「味のある写真」ということで許容できる気がします。

今回は、最後の命の輝きを見せてくれた古いフィルムに感謝しつつ、供養という意味でも写真を紹介してみます。

中古市場での相場

※写真作例は次のセクションに掲載しているので、相場に興味が無い方は読み飛ばしてください。

 

高感度フィルムが装填された「写ルンです」は生産終了していて、今市場にあるのは未開封ではあるがすべて使用期限が切れている。

最終ロットの期限は2019年(もしくは2020年?)で、フィルム単品で発売されていた「ナチュラ1600」も同様。

「ナチュラ1600」1本3500円くらいに高騰しているので、比較的探しやすく安めの「写ルンです」を狙います。

ISO感度1600フィルムが装填されているのは、以下のような「夜景」とか「ブレに強い」がウリになっている「高感度写ルンです」です。(どこかしらに”1600″と明記されている)

これら「高感度写ルンです」が生産されていた当時は、1個あたりおおよそ1000円台で販売されていました。

2022年2月現在での中古価格の相場は、とあるフリマアプリで調査したところ以下のような分布になりました。(調査範囲:2022年1, 2月に出品された送料込みの未使用品)

① 400円台~800円台は、多くがセット販売されているおかげで低単価です。

「4個で2000円台」などです。

期限切れしてからだいぶ経つ場合が多く、実験用に使うのであれば買ってもよいと思います。

 

1200円台が最も出品されている価格帯で、その前後を含めておおよそ「定価+送料」となっています。

期限切れが3, 4年前のものであれば、このくらいが妥当かもしれません。

 

③ 1500円以上で出品されているものは、おそらく生産終了による希少性を販売価格に上乗せしていると推測できます。

単品の「ナチュラ」を買うよりはマシ、といったところです。

 

2000円以上で出品されているものもありますが、買う気0なのでカウントしていません。

 

次に期限切れの年代における販売価格の平均値です。

プロットから縦に伸びる棒は標準偏差です。販売価格はおおむね棒の範囲に収まるという意味です。(わずかにはみ出る)

 

後述する【作例】で、12年以上期限切れしているフィルム(有効期限2009年以前)は使用可能率が50%以下であると推測しています。

そして、ほぼ最終ロットの2019年期限切れが1200円(定価+送料)を妥当な価格だとして、2007年以前期限切れを撮影に使うことはない(買わない=0円)とします。

そうすると、グラフ上のピンク色の直線で示すような「購入決定基準」が引けます。(個人的な価値観)

 

数式で表現すると、有効期限をE [年]、撮影に使用する時期をy [年]、購入決定基準価格をV [円]として、V=100(E-2007)-100(y-2021)となります。

右辺第1項は直線を表し、右辺第2項は年数経過による商品価値の低下分(1年に100円下落)を表しています。

綺麗にすると「V=100(E-y+14)」 です。

中2数学の一次関数を覚えている人は確かめてみましょう。

 

さて、次のセクションで紹介する写真は、すべてTRIP35で撮ったものです。

露出はASA(ISO)400のオート設定で撮れればオートで、そうでないときはマニュアル設定をF2.8に固定して撮っています。

以前にも同様の記事を書いているので、参考に覗いてみてください。

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作例:”14年”は使用不可?

まずは2007年に期限が切れているフィルムを、2021年末に使ってみました。

14年オーバーで、私が持っているISO感度1600のフィルムの中では最古です。

14年間ということは、自分が生まれてから中学2年生になるまで、と考えるとものすごく長く感じますね。

快晴の日に撮った小学校です。

日陰の部分はほとんど黒くつぶれています。

 

夕刻でのジャングルジムは、割と味のある写真になりました。

空は実際の色とかなり近いような気がします。

 

古いアパート。小学校時代、友達が住んでいました。

眩しいほどの白いアパートなのですが、発色が弱めです。でも雰囲気はやはり良い。

 

高い木と高い電柱のコラボ。

なんとなく夏が舞台のアニメに出てきそうな景色。

期限内のフィルムで撮ったらどう写るか試したくなります。

 

以上が14年の期限切れフィルムの作例です。

日中も夕刻も発色が乏しく「何を撮ったかが分かる」程度の画質となりました。

フィルムの保存状態にも寄りますが、14年以上期限の切れた高感度フィルムを買うのはオススメしません。

作例:”12~13年”が限界?

次は2008年、2009年に期限切れのフィルムの作例です。

2007年と大差ないですが、偶然このあたりの年台のフィルムを安く手に入れていたので紹介します。

同じく撮影は2021年なので、12, 3年ほど期限が切れています。

しかし偶然にも、このあたりが実用可能かどうかの境目になっていそう、ということが分かりました。

発色不足で実用不可

13年期限切れの1本は残念ながらハズレでした。

夜は発光体のみ写真に写りました。夕刻では発色が物足りません。

 

色鮮やかな花屋さんも、数十年前のセピアがかったような写真になりました。

これは雰囲気が好みですが、やはり発色が足りない。

粒状性が許容できれば実用可能

12年と13年期限切れの2本が運よくまともな発色を見せてくれました。

ようやく空が明るく写ってくれました。

夜間でも色合いが崩れることなく発色しています。

青、緑、黄色の穏やかなグラデーションが綺麗です。

ティファニーのロゴが反射しているのも素敵。

日中の日当たりでは、やや眩しい写真になりました。

カメラのISO設定が400なので、露出がいくらかオーバーしているのでしょう。

やや白飛びしてますが、輝かしく写っていて好きです。

 

発色は淡く優しい感じですが、全体的に粒状性は悪くざらっとした画質になりました。

フィルムカメラ初心者の目線では「フィルムらしさ」と言えるかもしれません。

ここらへんが許容できれば、10年ちょっとの期限切れフィルムで遊んでみるのも良いかもしれません。

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退屈しない人生を共に

10年以上有効期限の切れたISO感度1600フィルムの作例を紹介しました。

4本での実験ですが、使用可能率は50%以下と推測できます。

写真としては粒状性が良くはないので、味とかノスタルジー感として見れるのであれば10年程度の期限切れフィルムでも使えます。

今後は5,6年程度のフィルムで実験しようと思います。

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