こんばんは、慧です。
ミノルタのカメラにはRokkor(ロッコール)という銘レンズが搭載されていて、その良さを確かめるべく最初に選んだのがこのMinolta A-2。
見た目がすごく特徴的で、期待を裏切らぬ使いにくさに戸惑いつつ、写りの良さに満足できたカメラです。
撮影に使った期限切れフィルムも「エモい」と言えるレベルで安心しました。
Minolta A-2の特徴
Minolta A-2は現・コニカミノルタがミノルタ時代に作ったレンジファインダー機。
今回入手したA-2は、レンズがF2.8のもので1956年発売です。前年の1955年にはF3.5のA-2がすでに発売していました。
また、レンズの他にシャッターの異なる型があるようで、今回のA-2はCITIZEN MXVシャッターで1/400秒が最高速です。
このカメラを入手したのは、やはり独特な外観が理由です。
上面から見ると、ぷくっと膨らんでいて可愛らしいのです。ただそれだけです。が、後々他のミノルタのカメラに手を広げていくことを予想し、一つ目のカメラとしてはA-2が丁度良いと思ったのです。
セレン電池の露出計を積んだUniomatⅡ(ユニオマットⅡ)というカメラもレンズは似たようなスペック(2.8/45mm)でしたが、中古・ジャンク品市場では入手が容易そうだったためスキップしました。
なおUniomatⅡの外見は正統派でクールだと思います。(持ってないのでググってみてね)
ところでこのA-2、一目見た時から懸念していたのですが、やっぱり使いづらい部分がありました。
一つはハンドリングが悪いこと。
レンズの出っ張りがほとんど無いので、指にひっかけにくいのです。
もう一つは巻き上げが少し手間だということです。
上の写真の通り、巻き上げレバーを最大まで巻き上げるには、約270度(3/4回転)も回さないといけません。
ちょうど良い回転角は人によるけれど、男の私がかなり大きく指を動かさないと最後まで巻き上げられないので、多くの人にとって使いづらい部分かと思います。
ちなみに私は180度くらいが巻き上げしやすいです。
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不具合:低速側シャッター不動
このカメラの不具合箇所は、いつもの低速側シャッターの粘りに加え、絞りバネが絞り調節リングと同期していないという点です。
後者は、分解手順に関わる内容なので本記事では記載を控えます。
対策:シャッター清掃
シャッターの粘りについては、スローガバナー部分をベンジンで清掃し注油するのと、シャッター羽をベンジン漬けにします。
しかし、今回は誤ってシャッター全体にベンジンをこぼしてしまったので、それで清掃終了です。
レンズが裏に無くて良かった。
ベンジン乾燥後は簡単にシャッタースピード測定を行いました。(簡単にしかできない)
1/50秒~1.0秒の低速側で、線形性が得られたので上手く清掃できているようです。
測定方法の仕組み上、1/50秒は精度が低いのですが、概ね±20%に収まっていることを確認できました。
高速側は測定手段を持っていないので、シャッター音を聞いて高速になるにつれて音が変わればOKとしています。
その他:ファインダーと距離計のメンテ
シャッター清掃の他には、距離計の二重像の縦ずれを修正しました。(青い缶にご注目)
ファインダーも清掃したので視界も良好です。
作例:小さな丸ボケが最高
修理後のテスト撮影では、Minolta A-2の名前に因んでコニカミノルタのCenturia 400(大日本印刷にフィルム事業移管後)の期限切れ品を使います。
13年の期限切れですが、Centuriaの中では新しいほうです。
私の数少ない経験から、プラス補正前提で15年期限切れまでは何とか写ると信じています。
ただ、上の写真のように写るんですやレンズ付きフィルムからフィルムを取り出す場合、中の電池が液漏れしているとフィルムに影響を及ぼしている可能性が高いです。
そのため、期限の切れたものは私にプレゼントするか、フリマアプリで格安で出品しましょうね!
それでは作例を紹介していきます。ISO感度は200にしています。
また今回は、晴天時に絞りを2.8にしたかったので、NDフィルターを使い光量を5段落として撮影している場合があります。
そのような作例には「フィルター:ND32」と記載しています。
1枚目は、公園の遊具の一部。
露光時間:1/50秒
フィルター:ND32
まずは公園のブランコの支柱(赤・青・黄色)で、フィルムの劣化具合を確認です。
少し青みがかっていますね。
2枚目は、コスモス。
露光時間:1/25秒
フィルター:ND32
期限切れとは思えない綺麗な発色。
秋は紅葉の他にも撮るのが楽しい植物がいっぱいありますね。
3枚目は、人懐っこい野良猫。
露光時間:1/50秒
猫は前足をそろえて座るのでお行儀が良いですね。
4枚目は、銀杏の葉っぱ。
露光時間:1/200秒
フィルター:ND32
少し発色が暗めで青いけど、これがコニカの劣化感の良さかもしれない。
5枚目は、夕暮れの川。
露光時間:1/10秒
奥の信号や車のライトが丸ボケになっているのが良い。
ミノルタ以外のレンジファインダーにもこういうボケは見れるけど、ミノルタはより見えやすい気がします。
6枚目は、逆光下の葉っぱ。
露光時間:1/100秒
フィルター:ND32
NDフィルターのおかげで絞り2.8で撮れた不思議な写真。
色のコントラストが高めで、立体感があります。好み。
7枚目は、逆光下のコスモス。
露光時間:1/25秒
フィルター:ND32
この写真にも上部に丸ボケが大量発生していて好き。
全体的に丁度良く暗く、コスモスが映えています。
8枚目は、薄い色のバラ。
露光時間:1/100秒
今回の作例で一番のお気に入り。
左から右に向かって、背景に緑のグラデーションが生まれています。丸ボケもあるしとても綺麗。
そして薄ピンクのバラの立体感がおしゃれ。
これはNDフィルター不使用なので、Minolta A-2の実力が存分に発揮された一枚。
全体的に狙いの位置にピントが合うし、NDフィルターの有無に関わらず適正露出で撮れていて良かったです。
MinoltaのカメラにはRokkor(ロッコール)というレンズが使われていて、これが中々評判が良いようです。
特徴の一つかは分かりませんが、丸ボケが綺麗だし立体感のある写真が撮れるので、Rokkorが好きになりました。
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退屈しない人生を共に
しばらくミノルタのカメラはこのMinolta A-2を使ってフィルム3,4本くらい作例を作っていきたいです。
その後はMinoltina-Sを修理してF1.8の描写力を味わう予定。とても楽しみ。
私が持っている以下のフィルターは、サイズがMinolta A-2(34mm?)と合わないので手で押さえて使っています。
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