【写真作例付き】Yashica Half 17とACROS100Ⅱで【自家現像No.002】

【写真作例付き】Yashica Half 17とACROS100Ⅱで【自家現像No.002】

こんばんは、慧です。

2回目の自家現像は思い切ってハーフカメラで撮った72コマ分です。

カメラ側に光漏れと露出不良があったけど、8割くらいは写りはまともでした。

ブローニーを1本現像した「疲労度0.5」の現像液を使ったところ、現像自体は問題なく良い結果に。

ちなみに疲労度とは現像液を管理するために定義した「現像液の劣化具合」です。ざっくり「何本分のフィルムを現像した液か?」を表す数値。

現像データ

今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。

まず、カメラはハーフフレームカメラの「Yashica Half 17」です。

レンズに装着しているのは、光量を減らすNDフィルターです。(手持ちの58mm用フィルターを、52mm-58mmステップアップリングを介して装着している)

露出計に入る光量を減らすことで、意図的に絞りを開放寄りにするため。そう、ボケ感のある写真を撮りたいのです。

そしてフィルムは現行のモノクロネガ「ACROS 100Ⅱ」の期限内品。

約1カ月半かけて72枚を撮り切りました。

現像条件

以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。

初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は停止液以外使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。

使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。

パターソン|PATERSON スーパーシステム4現像タンク ユニバーサルタンクアンドリール PTP115

そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)

工程薬剤処理時間撹拌条件
1. 現像ミクロファイン原液※15+3/4min(26℃)最初の1minは連続撹拌
その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し
2. 停止クエン酸水溶液※21min連続撹拌
3. 定着スーパーフジフィックス-L※310min最初の1minは連続撹拌
その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し
4. 水洗(1)水道水
(2)富士QW※4
(3)水道水
(4)ドライウエル※5
(1)1min
(2)1min
(3)5min
(4)30sec
(1)連続撹拌
(2)連続撹拌
(3)連続撹拌
(4)連続撹拌
5. 乾燥6h放置

薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。

現像時間は、液温26℃で仕様通りの5分45秒としました。(前回は6分になってしまったけど、問題はなかった)

一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めます。

 

以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)

※1. 現像液:ミクロファイン

※2. 停止液:クエン酸

※3. 定着液:スーパーフジフィックスL

※4. 水洗促進剤:富士QW

富士フイルム FUJIFILM 仕上剤「富士QW」(2L用) QW2LNEW

※5. 速乾剤:ドライウエル

自家スキャン結果

薬液に浸す順序、温度、時間にミスが無ければ大失敗しないはずだけど、72枚撮った後の自家現像は緊張します。

結果的には現像は無事完了し、適正露出のコマはしっかりと像が浮かび上がってきました。

自宅の家庭用プリンターでスキャンして、白黒反転した画像(3コマ分)が以下になります。

ネガ用のスキャンモードが無いため速報値レベルの画質ですが、現像ムラなどの異常は見られませんでした。

しかしながらカメラ側の異常(光漏れ・プログラムオート機能不良)が顕著に出ており、このYashica Half 17はレンズ、露出計など生きている部品を回収して解体することにしました。

 

ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管しています。

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作例:初現像にしては上出来?

さて、自家スキャンでは本来の繊細な画質を楽しめないので、カメラ屋さんに行ってデータ化とプリントをしてきました。

それではACROS100Ⅱの自家現像結果を紹介していきます。

作例はすべてNDフィルター(-5段)を装着した状態のものです。

 

1枚目は、フェンス越しのススキ。

距離設定は最近接の0.8m。

フェンスと背景が上手くボケてくれました。

 

2枚目は、ボール。

距離設定は2.0m。

去年別の公園に落ちていたボールですが、今回(今年)はまた別の公園に転がっていました。

 

3枚目は、ダリアっぽい花。

距離設定は最近接の0.8m。

自分なりの0.8mの測り方があります。

腕と手を伸ばした状態で、脇から指先までが0.6mになり、そこに手を一つ分0.2mを想像で追加して0.8mにします。

おかげでピントはばっちりでした。

 

4枚目は、みかんと電柱。

距離設定は1.5m。

先の通り脇から腕までが0.6mなので、その2倍に手を一つ分追加すると1.4m。

そこからわずかに離れたところが1.5mです。

 

5枚目は、ビンのゴミ。

近所の酒屋には毎日酒ビンのゴミが溜まっていて、これが良い被写体になるのです。

色はカラフルですし、モノクロでも面白い写真になります。

 

6枚目は、私のバイク。

YAMAHAのドラッグスター400で、10年以上乗っています。

できれば一生壊れないで欲しいのだけど、もし壊れたらバイク生活は引退かもしれない。

 

7枚目は、赤い実。

赤色がかなり明るく撮れました。

日陰なので、コントラストは滑らかで落ち着いた雰囲気。

 

8枚目は、観覧車と二人組。

距離設定は無限遠。

今回の撮影で一番のお気に入り。

観覧車の骨組みが無機質的というか近未来的というか、映画「メトロポリス」の街っぽくて好き。

そこに二人組の組合せが合いますね。

退屈しない人生を共に

2回目のモノクロフィルム自家現像となりました。

ブローニーフィルムよりかは135フィルムはリール巻きが簡単でした。

パトローネのおかげでフィルムが暴れないからかも。

 

また、Yashica Half 17の写りはハーフカメラにしてはとても精細で、しっかり修理できれば常にポケットに入れておきたいカメラです。

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