【写真作例付き】Semi Leotax Rと14年期限切れKodak T-MAX400(ブローニー)で【自家現像No.008】

【写真作例付き】Semi Leotax Rと14年期限切れKodak T-MAX400(ブローニー)で【自家現像No.008】

こんばんは、慧です。

自分史上2回目のT-MAX400の自家現像。

T-MAX現像液は4カ月前に使ったものを使用するので、経年劣化が不安材料でした。

しかし結果はかなり良好で、期限切れのフィルムもよく頑張ってくれました。

T-MAXフィルム、常用モノクロフィルムとしてこれから使う機会が増えていきそうです。

現像データ

今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。

まず、カメラはセミ判(6×4.5)の蛇腹カメラ「Semi Leotax R」です。

そしてフィルムは現行のKodakのモノクロネガ「T-MAX 400」14年期限切れ品

撮影時の露出設定は、ISO感度を200にしてフィルム劣化分を補っています。

現像条件

以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。

初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は停止液以外使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。

前回同様、T-MAXフィルムが現像液を汚すのを防ぐため、「1」の現像液投入前に前水浴(1minの連続撹拌を3回)を行いました。

使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。

パターソン|PATERSON スーパーシステム4現像タンク ユニバーサルタンクアンドリール PTP115

そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)

工程薬剤処理時間撹拌条件
1. 現像T-MAX Developer 1:4※1
(疲労度 0.5本/L)
5.5min(24℃)最初の1minは連続撹拌
その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し
2. 停止クエン酸水溶液※21min連続撹拌
3. 定着スーパーフジフィックス-L※310min最初の1minは連続撹拌
その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し
4. 水洗(1)水道水
(2)富士QW※4
(3)水道水
(4)ドライウエル※5
(1)1min
(2)1min
(3)5min
(4)30sec
(1)連続撹拌
(2)連続撹拌
(3)連続撹拌
(4)連続撹拌
5. 乾燥6h放置

薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。

現像時間は、液温24℃で仕様通りの5.5分としました。

一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めます。

 

以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)

※1. 現像液:T-MAX Developer(希釈率 1:1)

T-MAX Developer(T-MAX現像液)はヨドバシオンラインで購入しました。(Amazon等では扱っていないようです)

しかしKodakの(一部またはすべての)化学薬品類は国内販売が終了する予定で、この現像液もその内入手が難しくなるかもしれません。

ところで上の右側の写真は、T-MAX400フィルムをリールに巻き付け現像タンクに入れ、前水浴したときの排液(1回目)です。3回目の水浴でほとんど色は無くなりました。

排液の色がかなり黒いので、その後投入する現像液を汚してしまうので、こうした前処理をしたほうがよいかもしれません。

 

※2. 停止液:クエン酸

※3. 定着液:スーパーフジフィックスL

※4. 水洗促進剤:富士QW

富士フイルム FUJIFILM 仕上剤「富士QW」(2L用) QW2LNEW

※5. 速乾剤:ドライウエル

自家スキャン結果

ネガを光にかざしRICOH GRⅢxで撮影し、白黒反転した画像(2コマ分)が以下になります。

安いプリンターのスキャナよりデジカメで撮る方が画質も良いし時間もかからない。

ネガがカールしている部分はボケているけど、現像起因の異常は見られませんでした。

 

ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管しています。

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作例:14年熟成もまだいける

今回の撮影はSemi Leotax Rのメンテ後の確認が目的なので、お遊び用の期限切れフィルムを使います。

この時期、フィルムを外の暑い空気に触れさせたくないですね。

 

1枚目は、池袋の中華料理エリア。

F値:11
露光時間:1/100秒

セミ判の縦構図にぴったりな場所。

明暗がしっかり出ているおかげで、ごちゃごちゃ感が増しました。

 

2枚目は、室外機の見える通り道。

F値:11
露光時間:1/100秒

とある団地の室外機で満たされた一枚。

今はほとんどの家にエアコンがあるけど、私が初めてエアコンの恩恵を味わったのは高校生のとき。

昔は扇風機で乗り越えることができるほど、今ほど猛暑な日なんて無かったような気がします。

 

3枚目は、南京錠。

F値:5.6
露光時間:1/300秒

絞り5.6くらいであれば、目測で狙いの位置にフォーカスしやすい。

錆のざらざら感が伝わるくらい、粒状性が細かい。

 

4枚目は、葉っぱ。

F値:3.5
露光時間:1/300秒

今回の作例で最も気に入っている写真。

葉っぱの縁が光っているのがかっこいいのです。

絞り3.5にしては良くフォーカスできていて良かった。

 

5枚目は、団地の壁。

F値:5.6
露光時間:1/300秒

平凡な団地の壁だけど、適度にオブジェが配置されていて撮りたくなりました。

それにコントラストも高く、隠れた良い景色。

やはり絞り5.6であれば目測でもピントが合いやすい。

 

6枚目は、渋谷の夕景。

F値:5.6
露光時間:1/5秒

ソール・ライター展の帰りに渋谷の高層ビルから撮った遠景。

ややブレてしまったけど、暗部の諧調は良く写ってると思います。

そういえば前回渋谷に来た時もBunkamuraのソール・ライター展が目的でした。

退屈しない人生を共に

14年の期限切れT-MAX400を自家現像しました。

思いのほか粒状性が悪くなく、暗部の描写やコントラストはISO感度200で撮影すればまだ許容できるレベルです。

むしろ趣味の範囲ならこれで十分かもしれない。

残りの作例はSemi Leotax Rの修理記事に掲載しています。

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