こんばんは、慧です。
RICOHが10年ぶりにフィルムカメラを発売し、これからもフィルム文化は生き続けていきそうですね。
そんな中私は60年前のフィルムカメラのメンテを楽しんでいます。
オリンパス製のPEN-EESは、令和のフィルムカメラに劣らない優秀なハーフフレームカメラ。
ジャンク品が安く手に入るので、整備してプレゼント用に仕立てます。
断線と巻き上げ機構の修理
今回のPEN-EESは何とかシャッターと赤ベロ機構は動作しますが、巻き上げ時のカチカチという音がなりませんでした。
この音が無いと巻き上げ感が皆無です。フィルムを巻いてはいるのですが。
さらに内部を観察すると、フラッシュに必要な導線が断線していました。
まずは断線の処理から行います。
おそらくフラッシュはほとんど使わないのですが、断線を放置してしまうのは気が引けますね。
通常の使用で断線は起きにくいので、前所有者が分解等をした時に導線を引っ張り過ぎて断線してしまったのでしょう。
今後のメンテも考慮して、導線の長さにゆとりを持たせて修復しました。
次に巻き上げ音の修理です。
下の写真の赤点線の部分が、カチカチ音を生み出すパーツです。
この部品が右上のギアの溝に接触することで、巻き上げ感を生み出します。
この接触を起こすには、バネの力で当該部品をギアに押し付ける必要があります。
そのバネが外れているのが分かりますね。
修理は簡単で、バネを元の位置にひっかけてあげるだけ。
これで巻き上げ音が復活しました。
最後に外装を紺色のスウェード生地に張り替えてメンテ終了です。
おしゃれ家具屋の端切れを使ったので、なんとなく質の良さを感じますね。
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作例:ピントが合うと高精細
修理が終わったらテスト撮影です。
使ったフィルムは、期限切れの写ルンですから抜きとったもの。
5年程度の期限切れのため、ISO感度は200(1段明るめ)で撮りました。
PEN-EESはISO感度が最高で200までしか設定できないけれど、期限内であってもISO400のネガフィルムならそこまで気にしなくてもよさそう。
1枚目は、理容室のサインポール。
サインポール、ネオン、黄色の壁。
テスト撮影にぴったりな色がたくさん。
ピントが合うとかなりくっきり写ります。
21枚目は、ドラえもん。
小田急線の向ケ丘遊園駅前にあるオブジェ。
実は私、ドラえもんと同じ誕生日。
3枚目は、木の幹。
結構気に入っている写真。
やや暗めの環境で、おそらくF値2.8で撮れています。
背景のボケとの対比が綺麗ですね。
4枚目は、小田急線と川。
逆光なのに暗部もしっかり写っています。
フィルムの諧調性も良いし、カメラ側も逆光に強いようです。
5枚目は、照らされる公園。
表参道から渋谷まで歩いていた時に見つけた公園です。
コントラストの強い環境でしたが、やはり諧調が広い。
6枚目は、渋谷川。
渋谷駅への歩道橋から撮影。
川沿いにやや高めのビルが建っていて、ちょっと不思議な景色が作られています。
ここの匂いはちょっと臭いです。奥にベンチがあるけどよく座っていられるなぁ。
7枚目は、表参道のマンション。
形が面白いマンション。
住んでみたいけど、奥の部屋は採光が悪そう。
8枚目は、バイク屋さん。
「HONDA タクト 入荷しました!」な、バイク屋のブログに載っていそうな写真。
9枚目は、ひまわり。
今回の一番のお気に入り。
よくネット投稿で見かける「斜めに差し込む光」を撮ってみたかったのです。
退屈しない人生を共に
今回はプレゼント用としてオリンパス PEN-EESを仕立てました。
おそらく彼女の友達に使ってもらうことになるでしょう。
ピント合わせのみ3点ゾーンフォーカスで自分で設定するので、初心者にぴったりな難易度のスナップカメラとして活躍間違いなしです。
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