こんばんは、慧です。
過去に期限切れフィルムを仕入れたときに紛れ込んでいた「T64」というフィルム。
ネーミングが他の製品と一風変わっていて、しばらく放っておいたのです。(冷凍放置)
そしてフィルムの在庫整理をしているときに再び目につき、ちょうど紫陽花の綺麗な時期に使うことができたのでした。
今は無きカラーリバーサルのタングステンフィルムでの作例を紹介します。
T64 Professionalとは?
「T64 Professional」は富士フイルムのカラーリバーサルかつタングステン光用のフィルムです。
しかもISO感度64という低感度っぷり。
下の写真は135フィルムの外箱。
タングステンフィルムといえば、タングステンが使われている白熱電球光の下で自然な色合いを再現するフィルムです。
そのため、屋外などの日光の下ではやや青みがかる特性があります。
私が最近使った似たフィルムだと、「CiraFilm200」というものがありますので、以下の記事も参照してみてください。
しかしこの「T64」は2010年頃に生産終了していて、現在手に入るものは全て期限切れ品。
さらにリバーサルフィルムでもあるので、ネガフィルムよりも経年劣化の進みが早いと言われています。
もしフリマアプリで見つけても、現在の定価レベルで購入するのはリスクが高い。
私は運良く1本400円くらいで手に入れることができたので、ダメ元で遊んでみることにしたわけです。
今回はブローニーサイズのT64を、6×4.5のセミ判の蛇腹カメラに装填して撮影しました。
参考情報:富士フイルム研究報告
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作例:青すぎず高精細
使用したカメラはZenobia-Rという国産の蛇腹カメラです。
セミ判だと16枚も撮れてしまうので非常にお得です。
よく使う二眼レフだと12枚しか撮れないから、それと比べると1枚あたりのお値段が安くなりますね。
撮影時期は2022年6月で、11年の期限切れです。
紫陽花が綺麗に咲いていて、タングステンフィルムの青さとマッチすると確信しました。そしてイメージ通りの結果となりました。
それでは作例を紹介していきます。
1枚目は、青紫系の紫陽花。
露光時間:1/500秒
朝早起きして近所で撮影した紫陽花です。
やや青みがかっていますが、程度は優しめで紫陽花の雰囲気とぴったりです。
中央からやや手前部分にピントがあっていて、後ろの方は滲んだようなボケが出ています。
そういうレンズなのですね。
2枚目は、赤紫系の紫陽花。
露光時間:1/250秒
1枚目に対して1段明るめに撮った写真です。
少し眩しいけれど、手前や奥の紫陽花の色合いも含めると丁度良い明るさかもしれない。
葉脈もくっきり写っていて、低感度ならではの高精細な写りがたまらない。
3枚目は、紫系の紫陽花。
露光時間:1/500秒
やや日陰での紫陽花。
さっきまでの眩しさは減り、紫陽花の色が高階調に表現されています。
4枚目は、夜の高架下の駐輪場。
露光時間:1/2秒
雨とタングステンフィルムの相性が良いと思ったので、三脚を使って撮りました。
LED光に対しては日光と同じく青く写りますね。
右側の自転車に付いている水滴が綺麗。次回はそこをメインに撮ってみたい。
5枚目は、夜の小さな銅像。
露光時間:1/2秒
見るたびに待ち合わせ場所にしたくなる銅像です。
この銅像の視線の先には何があるでしょう?知っている人がいたら、コメントにどうぞ。
6枚目は、人通りの少ない道。
露光時間:1/2秒
この通りは人通りが非常に少なく、堂々と三脚を出して撮影に集中できる。
不気味な雰囲気が強調されていて良い感じ。
7枚目は、森の中の小屋。
露光時間:1/2秒
今回の撮影で一番のお気に入り。
薄暗い森の中の小さな小屋。
木々の緑が本当に綺麗に写っている。しかも細かい。
紫陽花の写真と薄暗い場所での写真がほとんどでしたが、この2種類がタングステンフィルムと良く合うんですよね。
しかし後者の場合は、ISO感度64というのが若干使いづらいのです。
そのため三脚は必須です。
私が使っているのは以下のSLIKの三脚です。たまにリュックに入れて会社に行ってました。
退屈しない人生を共に
11年の期限切れとは思えない、涼しく精細な写りとなりました。
同ロットの「T64」があと3本残っているので、他のセミ判のカメラを仕入れたくなりました。
紫陽花、雨、薄暗い雨の他に、どんなシチュエーションがタングステンに合うか考えるのが楽しいですね。
ちなみにリバーサルなので、現像後のポジを見る楽しみもあるのです。
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