【写真作例付き】ヤシカフレックス(Yashicaflex)新B型 修理記録 Part1:ミラー交換とKodak EKTAR100での撮影

【写真作例付き】ヤシカフレックス(Yashicaflex)新B型 修理記録 Part1:ミラー交換とKodak EKTAR100での撮影

こんばんは、慧です。

ついにヤシカの二眼レフを手に入れました。もちろんジャンク品です。

シャッターはCOPAL-MXVで、最速で1/500秒まで撮影可能。

上下のレンズの間の左右に露出調整用の丸いダイヤルが備わっていて、特徴的な見た目をしています。

落下した形跡がありましたが、レンズは綺麗なので実用化するためにメンテナンスしていきます。

ヤシカフレックス新B型の特徴

ヤシカの二眼レフカメラは他の国産メーカーよりも種類が多く、見分け方が少し難しいようです。

今回ゲットしたものは、シャッタスピードが最速で1/500秒であることと、前面上部の銘板に「Yashicaflex」と書かれていることから「ヤシカフレックス 新B型」であると推定しました。

 

なお、同じ1/500秒のシャッターでも銘板に「Yashicaflex-D」と書かれている、見た目がそっくりな「ヤシカフレックス D型」があるようです。

D型も含め、他の機種については手元にものが無く詳細は知りませんが、新B型はヤシカの二眼レフの中でまあまあ人気のある高級機だったのではと推測しています。

そんな「ヤシカフレックス 新B型」の特徴を3つほど紹介していこうと思います。

露出設定が確認しやすい

シャッタスピードと絞りは前面の左右にある丸いダイヤルを回して調整します。

そのときの設定値はレンズ上部の窓に表示されており、腰の位置でカメラを持っている状態(ウェストレベル)でも確認することができます。

これは非常に使いやすく、他のメーカーの二眼レフにも採用されています。(最初に採用したのはどこか不明)

50年も経つと窓の素材が黄ばんで見づらくなってしまう。

私のこのカメラも例外ではないのですが、ペットボトルの切れ端を適当なサイズに切り出し交換しました。

とてもクリアに見えていますよね。

フレネルレンズで視界良好

二眼レフカメラと言えばウェストレベルで構えて、上からファインダーを覗き込んで撮影します。

このファインダーには通常すりガラスが使われており、ぼんやりとした液晶画面のように像を見ることができます。

この新B型には、すりガラスの裏に「フレネルレンズ」という薄い板の形をしたレンズが一枚仕込まれており、より明るく像が映ります。

ファインダーでは撮影したい写真の構図はもちろん、ピント合わせも行うため、明るい方がそれらの精度は上がります。

フレネルレンズがあるおかげで、より一層撮りたい写真が撮れるというわけです。

 

ピントグラスは拡大鏡のようなもので、大抵の二眼レフカメラに備わっていると思います。

ノブ巻き上げでセミオート

新B型では、フィルム装填はフィルムのスタートマークで合わせた後にフィルム室の蓋を閉め、フィルム送りノブを回すと自動的にフィルムが所定の位置(一枚目の位置)に合わさる仕組みになっています。

二枚目以降も自動的にストッパー(巻き止め機構)が働くため、巻き過ぎや巻き不足による失敗は起こりません。

この方式を「セミオートマット」と呼ぶそうです。

 

具体的な操作方法は、(二枚目以降は)①の巻き止め解除ボタンを押しながら、45度くらい②のフィルム送りノブを回します。

それから①のボタンから手を離し、②のノブを回し続けます。

そうすれば次のフィルム位置で再びストッパーが働きます。

なお、①のボタンを押したまま②のノブを回し続けると、延々と巻いてしまうので注意しましょう。

下の写真が巻き上げ側の内部構造です。

どれがストッパーか予想してみましょう。

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不具合:ファインダー視界不良

ここからは修理のお話になります。

今回の新B型はジャンク品ではあるものの、致命的な欠陥は無く、なんとかシャッターは動いてくれました。

そのため、最低限のメンテナンスをした後に、一度トライアル撮影をしてみることにしました。

 

メンテナンス内容は主にレンズのクリーニングと、耐えられないほどに見づらいファインダーへの対応です。

原因:ミラーの汚れ

冒頭で「フレネルレンズがあるからファインダーは明るく見やすい」と説明したのですが、このカメラを入手した時は以下のような状態でした。

左側がファインダーを覗いた様子で、ぼんやり薄暗く見るに堪えません。

右側はファインダー部分を取り外した状態で、ビューレンズ(上側のレンズ)からの像を反射させ、ファインダー側に写す役割のミラーです。

 

ここまで汚いミラーは初めてで、手持ちの洗浄剤、錆び落とし剤などを使っても、びくともしませんでした。

もちろん、この汚れがファインダーの視界不良の原因でしょう。

対策:RICOHFLEX Ⅶのミラーを代用

洗浄で汚れが落ちない場合は、ミラー交換で対応します。

二眼レフカメラのミラーはどのメーカーも形状が似ていて、部品取り用のジャンクカメラから容易に代替品をゲットできます。

今回はリコーフレックスⅦから抜き取ってみました。

形状、厚さがほとんど同じです。

どちらも60年近く昔のカメラなのに、どうしてこんなにも状態に差があるのでしょう。

 

下がミラーの交換前後の様子です。

ミラーの裏には薄い弾性のある金属板が挟まっていて、ミラーの厚さが異なっていても帳消ししてくれます。(裏側からミラーを押してくれているイメージ)

 

ファインダーの像の見えやすさも、格段にアップしました。

シャッターが動きファインダーも良好であれば、ひとまず撮影可能な状態。

他の不具合をあぶり出すためにも、ここで一度トライアル撮影をしてみます。

作例:Kodak EKTAR100

撮影に使ったフィルムは、7年期限切れのKodak EKTAR100です。

手持ちのEKTARで最も古いものなので、これで上手く写れば残りのEKTAR(20本くらい)も写りは期待大です。

それでは作例を紹介していきます。

 

電車の車内です。

F値:3.5
露光時間:1/25秒

屋内は人の目で見るより、はるかに暗いのですね。絞りは開放でシャッタスピードも遅めです。

 

次は夕刻の、しかも雨の日の水辺です。暗いです。

F値:3.5
露光時間:1/8秒

幸い、カメラを置くのに相応しい岩があったので、ブレずに撮れました。

水面がおとなしくて綺麗です。

 

さらに暗い、深夜のお花です。

F値:3.5
露光時間:1/2秒

街灯に照らされているので感度100のフィルムでもちゃんと撮れますね。

シャッタスピードは粘りがあるのか、1/2秒設定で実際は1秒くらいだったと思います。

 

最後に春の訪れ、梅の花です。

F値:4
露光時間:1/500秒

なるべく周囲をボケさせたかったので、絞りは4で撮りました。

かつ、レンズ位置は最近接にしています。

狙った梅の花にピントがあっているので問題なし。

 

どの写真も粒状性が細かく、色合いも鮮やかさと落ち着きが丁度良い感じでした。

カメラ側の要チェック事項は、低速側(1秒~1/10秒)が粘り気味で、設定値より長めだった気がします。

ここはまだメンテナンスが終わっていない箇所で、後日対応して再撮影してみることにします。

 

【追記】再撮影の結果は以下の記事から。

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退屈しない人生を共に

ファインダーの状態が良くない「ヤシカフレックス 新B型」を、まずはミラー交換で撮影に堪えうるレベルにすることができました。

低速側のシャッタースピードがやや遅いのでメンテナンスは必要ですが、ひとまずまともな写真が撮れたので安心です。

このカメラは修理が完了したら九州に住む彼女に使ってもらう予定で、ピンク色の大理石調シールで外装を整えます。

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