こんばんは、慧です。
カメラ修理、見事失敗してしまいました。
だいぶ昔にゲットしたヤシカハーフ17。今月やっとシャッター不調の修理を試みました。
分解の最中に内部構造の複雑さに圧倒されつつも、何とかシャッターは動くようになりました。
しかし、内臓太陽電池によるオート露出が上手く機能せず、テスト撮影での写真はすべて眩しくなってしまいました。

ヤシカハーフ17とは?
まずハーフカメラとは、一コマの写真サイズが通常(写ルンですなど)の半分の大きさで、2倍の枚数が撮れるお得なカメラです。
以下のように2枚1組で楽しむことができます。

フィルム:フジカラー100
ハーフカメラだと1ショットあたりの価格が安くなるので、フィルム代の節約方法の一つとして非常に有効です。
カメラ・フィルムを製造しているコダックも、今年ハーフカメラ「EKTAR H35」を新発売しました。
これからフィルムカメラを始めようとしている人たちに、少しでもフィルムの高騰を感じさせないようにするためでしょう。
本題のヤシカハーフ17は、かつて存在した国内メーカー「ヤシカ」によって1964年に発売されたハーフカメラです。
見た目は非常におしゃれで丸みがあってかわいいです。(革は黒の木目調に補修済み)

オリンパスのPEN-EEシリーズと同様、レンズ周りのセレン電池によって露出はオートで決まります。
距離計は目測式。そしてレンズは大口径のF1.7。
もしフォーカスがぴったりハマれば、迫力ある写真が撮れるはず。
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修理:シャッター不調
今までオリンパスのPEN-EE、Dシリーズでしかハーフサイズを撮影したことがなかったので、重い腰を上げてこのヤシカハーフ17を修理して使ってみようと思ったわけです。
手持ちのヤシカハーフ17は、レンズは古いものの割には綺麗でしたが、シャッターに粘りがあり分解が必要でした。
前玉のレンズはほぼ無傷で非常に綺麗。後玉は周囲に曇りがあり、小さな傷があります。


この程度の傷なら写真にはほとんど影響しないでしょう。
そしてシャッターは開いた状態で止まってしまうので、機械部分(特に右下の円板)と羽をベンジンで清掃しました。


ところでヤシカハーフ17のシャッタスピードは最速で1/800秒らしいのですが、にわかには信じがたい。
最速で1/500秒のセイコーシャラピッドやコパル-MXVなどと比べると、明らかにシャッター内部の構造がシンプルだからです。(下の写真はヤシカフレックスのコパルMXVシャッター)

もちろん高速性と複雑さに相関があるとは限らないが、このヤシカハーフ17のシャッターでどのようにオート露出を制御しているのかは修理するからには知っておきたいですね。
さて、当初はシャッターの粘りのみ修理すれば使用可能と考えていたのですが、別の問題が撮影後に発覚しました。
それがまさにオート露出の機能不全で、セレン電池は生きているのにも関わらず、上手くシャッター・絞りと連動していなかったのです。
元々の問題なのか、修理の過程で不調になったのかは謎のまま。
たぶん組み立て時にどこか間違えたのかもしれません。
次回の修理時には、オート露出含めてヤシカハーフ17の機構を徹底的に分析したいと思います。
作例:1/30秒固定の眩しさ
今回のテスト撮影は、オート露出の機能不全のためすべてシャッタースピードが1/30秒になってしまいました。
もしかすると絞りも1.7の開放状態のまま。
ほぼ日没後の適正露出で真昼間に撮影という露出狂っぷりです。
使ったフィルムはフジカラー100。ISO感度100なのが唯一の救い。

紹介する作例は見るに堪える写真から厳選しました。それでも眩しいものばかり。
1枚目は、鴨。

日没直前の川ですがほぼ昼の明るさになってしまった。
1/30秒なのでやはり少しブレています。
2枚目は、巨大倉庫の階段。

無限遠は問題なさそうです。
そもそもヤシカハーフ17はフォーカス調節時にレンズが回転しないタイプの機構(ヘリコイド直進型)で、修理後にレンズの位置合わせをしなくて済むのです。
3枚目は、紅葉途中の木。

すこしずつ葉が紅葉してきています。
昼間の撮影にしては、眩しすぎない写真になりました。
4枚目は、猫。

目測式にしては上手く猫にピントを合わせることができました。
5枚目は、緑のもみじ。

夢の中にいるような雰囲気のもみじ。
まだまだ緑色。赤くなるのを待ちましょう。
6枚目は、日没後の木。

空が赤と青のグラデーションで非常に綺麗でした。
やや明るいですが、何とか赤と青を表現できた。
7枚目は、牛柄の鯉。

今回のテスト撮影で一番のお気に入り写真。
左上の牛柄の鯉と、右下のオレンジの鯉が並ぶのをずっと待っていました。
1/30秒のおかげで水の透明感が良い感じ。
8枚目は、日没後の空。

おそらく適正露出で撮れた数少ない貴重な写真。
さらに雲の量と高さが丁度良く、金色に輝いているところをパシャリ。
このあとすぐに真っ赤に染まりました。
9,10枚目は、組み写真。

どちらもピントがしっかり合っていて、ヤシカハーフ17の実力が垣間見れる写真。
露出が適正だったら完璧だったのに。残念。
全体的に明るすぎる写真になってしまいましたが、フィルムが勿体ないので紹介いたしました。
学生時代にはほとんど意識していなかったけど、社会人を10年もやっていると、何事にも「成果」を求めようとする癖がついてきました。
ただの趣味でも、こうやって作例がブログ記事として記録に残ると落ち着きます。
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退屈しない人生を共に
初めてオリンパス以外のハーフカメラの修理に挑戦しました。
今回は失敗したけれども、オリンパスのPEN-EEシリーズも1回目は失敗してしまい、同じ機種をもう一個買ったことを思い出しました。
ヤシカハーフ17も必要に応じてもう一個仕入れて、再挑戦してみよう。
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