【写真作例付き】Zenobia-RとNEOPAN400 PRESTOで【自家現像No.003】

【写真作例付き】Zenobia-RとNEOPAN400 PRESTOで【自家現像No.003】

こんばんは、慧です。

3回目の自家現像は、リールへの巻き付けが苦手なブローニー判のPRESTO400です。

10年程度期限が切れたフィルムだったのでカール癖が強く難儀しましたが、5分くらいで巻き付けは完了。

現像液は「疲労度0.8」のミクロファインで、良好な現像結果が得られました。

カメラはセミ判蛇腹のZenobia-Rです。

現像データ

今後の自家現像生活のためにも、現像に関わる条件はなるべく記録していこうと思います。

まず、カメラはセミ判の蛇腹カメラ「Zenobia-R」です。

そしてフィルムは廃盤のモノクロネガ「Neopan400 Presto」の13年期限切れ品。

6×4.5cmのセミ判フォーマットで16枚撮影しました。

ISO感度は200にしてフィルム劣化分を補っています。

自家現像の練習にはこのくらいの枚数で、10年前後の期限切れ品を使うのが精神的にも優しいですね。

 

現行のISO感度400のブローニー判モノクロフィルムは、おそらくトライXが一番入手しやすい。

けど、高くて手が出せない。

KODAK プロフェッショナル用 白黒フィルム トライ-X 400 120 5本パック 8568214

現像条件

以下のフローは典型的なモノクロフィルムの現像工程となります。

初回は「0.準備」で薬剤の作成がありますが、次回以降は停止液以外使い回すので一度作ってしまえばしばらくは省略可能です。

使った現像タンクはパターソンのもの。ブローニーは1本まで、135フィルムは同時に2本まで処理可能。

パターソン|PATERSON スーパーシステム4現像タンク ユニバーサルタンクアンドリール PTP115

そして、各工程での具体的な条件は下表の通りです。(スマホで表示する場合は横向きがおすすめ)

工程薬剤処理時間撹拌条件
1. 現像ミクロファイン原液※1
(疲労度 0.8本/L)
5min(25℃)最初の1minは連続撹拌
その後、5sec撹拌+55sec放置の繰り返し
2. 停止クエン酸水溶液※21min連続撹拌
3. 定着スーパーフジフィックス-L※310min最初の1minは連続撹拌
その後、30sec撹拌+30sec放置の繰り返し
4. 水洗(1)水道水
(2)富士QW※4
(3)水道水
(4)ドライウエル※5
(1)1min
(2)1min
(3)5min
(4)30sec
(1)連続撹拌
(2)連続撹拌
(3)連続撹拌
(4)連続撹拌
5. 乾燥6h放置

薬剤の作成や処理時間、撹拌条件はほとんど仕様通り。

現像時間は、液温25℃で仕様通りの5分としました。

一般的に、現像液の排液完了までを現像時間とするようです。従って規定の時間の15秒前から排液し始めます。

 

以下に使用した薬剤のリンクをまとめておきます。(表中の※に対応)

※1. 現像液:ミクロファイン

※2. 停止液:クエン酸

※3. 定着液:スーパーフジフィックスL

※4. 水洗促進剤:富士QW

富士フイルム FUJIFILM 仕上剤「富士QW」(2L用) QW2LNEW

※5. 速乾剤:ドライウエル

自家スキャン結果

自宅の家庭用プリンターでスキャンして、白黒反転した画像(2コマ分)が以下になります。

ネガ用のスキャンモードが無いため速報値レベルの画質ですが、現像ムラなどの異常は見られませんでした。

粒子感もそんなに悪くなく、露出量を2倍にしたことで丁度良い明暗になったような気がします。

 

ネガは専用のファイルがあるので、外注現像とは区別して保管しています。

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作例:悪天候に挑戦

今回の撮影時期は1月下旬。比較的快晴の日が多かったのですが、撮影するタイミングに雨が降ったり悪天候が続きました。

「晴れの日にコントラスト高めの写真を撮るのがモノクロの撮り方」という先入観があったので、曇り空の下での撮影の良い練習になりました。

 

1枚目は、雨の日の神社。

F値:3.5
露光時間:1/50秒

葉に付いた雨滴を撮ろうとして上手くいった写真。

白い花も写れば良いなと思っていたけど、少し分かりにくくなってしまった。

晴れていなくてもかなり濃淡が表現できた。

 

2枚目は、連なる鉄塔。

F値:8.0
露光時間:1/500秒

無限遠で絞った写真。

雲が一つも無かったので、空がすっきりしている。しすぎている?

多少雲があった方が良かったかもしれない。

 

3枚目は、ドラッグストアの裏。

F値:5.6
露光時間:1秒

ドラッグストアの裏側にある搬入口。

カラーフィルムだと撮ろうとは思わなかったけど、モノクロだとできあがりが気になるスポット。

日光がなくても十分楽しめますね、モノクロフィルム。

 

4枚目は、工場の階段。

F値:8.0
露光時間:1/500秒

モノクロフィルムで撮りたくなるスポット。

特に縦長のセミ判では撮らざるを得ない。

それと、適度な遠距離なので無限遠のチェックにも適していると思います。

遠すぎるとボソボソしてて見えづらく、無限遠が合っているのか分かりにくい。

 

5枚目は、工場の螺旋階段。

F値:5.6
露光時間:1/500秒

正弦波曲線(y=sin x など)が見え隠れしているので、高校生に三角関数の導入をする際に素材として使えそうな写真。

最初の2段分だけコンクリートになっているところが色々可愛い。

 

6枚目は、電球のオブジェ。

F値:4.0
露光時間:1/250秒

左から1,2番目あたりの電球にピントが合っているけど、本当はどこに合わせたか覚えていない一枚。

この構図と自分の性格から、左から3番目くらいにピントを合わせたような気がする。

 

7枚目は、巨大な木。

F値:8.0
露光時間:1/100秒

神社に生えてたでかいクスの木。

神社の木は大事に扱われているせいなのか、とにかくでかい。

 

8枚目は、高校の部室。

F値:3.5
露光時間:1/50秒

とある高校の古い部室が絶妙な哀愁を漂わせていました。

一応、人(高校生)がいないことを確認して撮影。

汚い折りたたみ椅子が良い感じ。

退屈しない人生を共に

ブローニーサイズとしては2回目の自家現像となりました。

現像自体はフィルムの仕様書通りに適切に行ったので問題なし。

フィルムのリールへの巻き付けはカール癖もあってまだまだ慣れないけれど、1回目に比べて1/3の時間でできました。

残りの期限切れ品(モノクロブローニー)は20本以上あるので、しばらくカールとの戦いになりそう。

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